九州発！田中ゆかりのテーブル通信［50］12月：癒しのスイーツタイム

　今年も残すところあとわずかとなりました。毎日天候や気温の変化に翻弄されながら、「秋なのか？冬なのか？」と言っているうちに、「えっ！もうクリスマス！！」。そんな中、クリスマスパーティーへのお誘いがあり、名誉なことにパスタ係に任命されてしまいました。託されたパスタは長さ90センチ、径4ミリのイタリア製で、湯がくのに15分以上かかりそう。「これをどうやって食べるか研究するように」との指令が私に下されたのでした。「そりゃ、一本を二人でそれぞれ端からむにゃむにゃと食べ進むのが賑わっていいんじゃない？」などと無責任なことを言いつつ、「何人来るの？」と聞いてみれば、「20～30人」との答え。これは大変だ！私はパーティーの始めから終わりまでパスタを湯がくことになりそうです。笑うしかない。オホホッ。

　ところで、今月の上旬に東京・後楽園のプリズムホールで「テーブルウェアフェスティバル」が開催されました。手前味噌ながら、私はこのイベントの波佐見焼ブースのコーディネーター・アドバイザーとして参加させていただいています。2006年に波佐見焼ブースが初出店して以来、出品新作のアドバイスなどもさせていただき、出店各社とともに研鑽を重ねてきました。今回のブースでは14社の新作がずらりと並び、お客様は「かわいい～」と連発しながら携帯で写真を撮ったり、お買い物したりと、楽しんでくださいました。中でも一番「かわいい～」の声が上がったのは、今回ご紹介する「メリーゴーランド」シリーズです。

　この「メリーゴーランド」は波佐見の窯元・和山さんが「メルヘンシリーズ第2弾」として発売した新作です。その商品開発にあたって、私が「メルヘンの第2弾はメリーゴーランドのイメージ」と口走ったばかりに、担当の男性デザイナーが最初かなり悩まれていたのですが、結果的にはとても面白い展開になりました。縁がフリフリの24センチのお皿全面に6つの木馬が描かれ、その隙間を埋め尽くすように月や星、幾何学模様が散りばめられています。何とも言えない不思議な世界に引き込まれる絵柄です。プレートに加えて、小皿や小さなボウルもできました。そのうち「メリーゴーランドの天井はテントだから、カップにテントの蓋をつけてみよう」ということになり、カラフルで遊び心のある楽しい展開となったのです。

　こちらは私のクリスマス、癒しのスイーツタイムです。キラキラした網目のランチョンマットを選び、わくわく感を表現しました。アペリティフはシャンパン（実はお酒好きなの。あ、もう知ってるって？）、さて金と白のストライプ柄のテントの中には何が入っているかな？蓋物は明けるまでの楽しみがありますね。大奮発しました。氷を敷きつめてキャビアを入れました。クラッカーを添えて。

　次は10.5センチの小皿を三枚、小さなアミューズスタンドに載せて、カヌレの味比べをします。ミニマグカップにもなりそうなカップにはミルクコーヒーをたっぷり。ソーサーに載せてお洒落に。黄緑と白のストライプ柄のテントの中には、ヨーグルトムースにオレンジソースとシナモンをかけてナッツを飾りました。奥に見えるのはクリスマスツリーとベツレヘムスター、キャンドルです。このようなちょっとした小物もテーブルの演出として考えてみてはいかがでしょう。

　最後にクリスマスにまつわるお話を。
　クリスマスツリーは枯れない木、永遠の命を意味します。赤ワインはキリストの血。フルーツを入れたパンチなど有名ですね。写真の瓶詰は「フルーツポンチ」と呼ぶデザートなのですが、これを利用して赤ワインと炭酸を加えると「パンチ」になります。炭酸で割るだけの便利な瓶詰も市販されています。聖書によれば、キリストが生まれた時に東方の博士が没薬と乳香をお祝いに持って駆け付けたということなので、香りも大事にします。シナモンやショウガ、柑橘類などです。これらはクッキーやケーキのほか、飾りにも使います。七面鳥の丸焼きは、ピューリタンがアメリカ開拓の初めての年に、収穫物が乏しい中で畑にいた七面鳥を焼いてお祝いしたのが始まりとされていますが、今は鶏料理が定番となりました。クリスマスメニューの参考になさってください。

　今年もテーブル通信をご覧くださいまして、ありがとうございました。素敵な食卓で、あなたの愛する人を満たしてあげてくださいね。きっと、あなたも満たされますよ。

　― 受けるよりも与える方が幸いである（聖書・使徒の働き20章35節より）