「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 千葉県最大級の屋外マーケット「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」(主催・同実行委員会)が6月1、2日、千葉県・佐倉市の佐倉城址公園本丸跡で開催された。出店は全90組(アート 5、陶磁器20、ガラス9、木工・漆11、染織・布 5、皮革 6、金属 5、アクセサリー9、家具3、夫婦枠・工房枠 10、その他 7)、今年も多くの人出で盛り上がった。

 初出店の冨金原塊氏(ふきんばらかい、Studio Enju)は京都・西陣で、陶工房とギャラリーを運営する。コロナ禍を契機として、趣味の読書から「世界中の本棚を夢のあるものに」をテーマにクジラやシロクマといった動物のブックエンドの制作に着手、そのリアルでユニークな作品に多くの人が足を止めた。同じく初参加のブランド「手と具」(その他枠)は、陶芸家・外山慧氏の主宰する千葉陶芸工房を中心に集まった仲間で構成する。栗須翔子氏は、制作のきっかけとなる風景の撮影やコンセプトの根幹を担い、外山氏は主に作品の制作過程に付随するテクニカルな部分を担当するというスタイル。陶土の中に残した石を、そのまま表情にした食器、野焼きのオブジェ、釉の発色が美しい大皿などがならんだ。現在同ブランドのショップの開店を準備する。クリエーター・村上史子氏は千葉・館山で雑貨店を運営しながら「owly・pottery」として石粉粘土や陶で、壁飾りやオブジェ・ブローチなどを制作。多彩な素材を用いて異国情緒あふれる世界観を表現した作品に女性ファンが集まっていた。

 第11回の今年は、常連人気食器作家らに加え、アート、その他の枠からの参加にも陶を素材とする作り手も多く見られた。都内ショップバイヤーや百貨店関係者の姿も会場にはチラホラ、フェア常連来場者にとっても、作品の広がりや多様性が大きく感じられた。ある来場客が「ここって、売れそうな感じの物じゃなくて、作り手が作りたいもの、そんな雰囲気だよね」と話していたのが印象に残った。