九州発!田中ゆかりのテーブル通信[32]5月:私の小さなバラ祭り

ミニブリオッシュ、ピーチジェリー、ダージリンティー

 ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?久しぶりに旅行に出られた方もいらっしゃるでしょう。私のいる有田や隣町の波佐見では陶器市が開催され、たくさんの人出でにぎわいました。お天気も良く、沿道のお店で品定めをしたり、大きなテントの中を巡ったり、みなさん「待ってました!」と嬉しそうです。もうこれ以上器を増やしたくない私も(心にもないことを・・・)久しぶりにそぞろ歩くだけでも楽しい時間でした。

 ウグイスが鳴いています。また静かな日常に戻りました。私の最近の楽しみは、テラスで成長を続ける花のつぼみを眺めることです。20年ほど前に「マウントタラ」という名前のバラの苗を買ったことが始まりで、色々な植物と一緒にバラの鉢がいくつかあります。誕生日にいただいた花束のバラが見事で挿し木にしてみたところ大成功した黄色の大輪や、○○(ヒント:漢字2文字)のお祝いにいただいた真っ赤なバラの挿し木、亡くなった友人からもらったビビッドなピンクのバラ、ミニバラ、蔓バラなどなどです。寒い冬に一回り大きな鉢に植え替えをしたところ、みるみるうちに大きく成長し沢山の花をつけてくれました。開花するとよい香りを発するものもあり、そこにいるだけで老化した肌や心が柔らかくなっていくようです。時にはお茶を淹れてゆっくり過ごすこともあります。たとえば今日みたいに。

 本日は張り切ってミニブリオッシュを焼いてみました。出来立てのサクサクです。作り方は簡単、冷凍パイシートを利用します。シートを室温にならしてからめん棒で少し伸ばした後、溶き卵を刷毛で前面に塗りキビ砂糖を振ります。その上にチョコチップを散らし、手前の方から巻きずしのように巻いていきます。棒状になったら6等分くらいに切り分け、断面を上にして卵液を塗りグラシン紙(マドレーヌ敷紙)にのせ200度のオーブンで20分くらい焼き、冷まします。黒のガラスのコンポートに載せてみました。直径16.5センチ高さ13.5センチで小さなホールケーキからマカロンなどの焼き菓子にぴったり。テーブルでお洒落な感じを演出してくれます。残念ながら、コンポートに載らなかったお菓子たちはガラスのドームの中で待機させます。

 ピーチのジュレはネクターに溶かしたゼラチンを入れて冷やしプルプルに。普段は冷酒をいただいているグラスなのですが、ピーチの色が見えるように合わせてみました。アンティークのデミタススプーンを添えて。

 ダージリンティーをポットに用意します。おかわりの度にキッチンまで行かなくて済むように。このポットはとてもきれいな丸形で、対流熱によりお湯が回り、茶葉がジャンピングしやすく美味しい紅茶になると思われます。お揃いのマグカップも表面にはマット釉が施されていていい味を出しています。素肌感覚といいましょうか、手にするたびにナチュラルな癒しを感じます。

 可愛い小鳥さんに白いミニバラを一輪生けてみました。つまようじ入れとして作られたものと思われますが、花を挿してミニフラワーベースとして、また時には箸置きとして楽しんでいます。テーブルのアクセサリーですね

 テーブルクロスはお部屋やその場の雰囲気を変えてくれる素晴らしいアイテムです。フレンチリネンの涼やかなカットワークは夢のような美しさ、白とグレイの上品な色使いは器やテラスのバラを引き立ててくれます。一杯のお茶でも楽しむ心意気が大切ですね。

 私の小さなバラ祭りへ、ようこそ。

私の小さなバラ祭り
メニューミニブリオッシュ、ピーチジェリー、ダージリンティー
鎬ティーポット 白マット 一龍陶苑(波佐見焼)
鎬マグカップ 白マット 一龍陶苑(波佐見焼)
鳥型ようじ立て 白マット 白山陶器(波佐見焼)
ガラスコンポート 黒 DEAN&DELUCA(東京)
ガラス杯1106 3oz stem 木村硝子(東京)
デミタススプーン アンティーク(イギリス)
ガラス製ケーキドーム スガハラガラス(東京)
ミニバラ 白
テーブルクロスアズレージョ ル・ジャカード・フランセ(フランス)