備前焼三人展「三つの手」、5月1日まで 「HULS Gallery Tokyo」

 東京・赤坂のギャラリー「HULS Gallery Tokyo」は、「備前焼三人展『三つの手』」を5月1日まで開催している。同展は備前市で「gallery Kai」を2019年から共同経営する馬場隆志、藤田祥、森大雅の3作家による展覧会。徳利やぐい呑などの酒器をはじめ、食器、花器、オブジェなどの登り窯による新作を展示販売する。
 馬場氏は塗り土の調合と窯変により作り上げるラピスラズリを思わせるブルーを発色させた「窯変蒼」のシリーズに黒備前の酒器などが中心。徳利の肩から落ちる窯変の流れも魅力的だ。藤田氏は洋画、デッサンなど美術全般を学んだのち陶芸の道に入った。備前には珍しい薄く引いたカップ類、備前らしい厚手のぐい呑みには光沢感を持つ「彩備前」と呼ばれる手法を用いている。森氏は、備前焼作家の祖父の窯を継承した。備前の土や石が持つ力強さを映し出す作品を目指して作陶。会場では三者三様のスタイルの備前焼の世界が広がる。
 同ギャラリースタッフは「備前焼作家の展覧会は初で、男性客が多いことに驚いた。酒器の備前と言われるように男性はぐい呑み、女性は皿の購入が目立っている」と話す。会期中は「オンラインストア」にてネット販売も実施。運営する㈱HULS(柴田裕介社長)は、シンガポールと東京の2拠点から、日本の工芸品に関する多様なサービスを提供している。
 5月14~29日には日本の各産地から厳選した多種多様な酒器展「宵のはじまり」を予定している。