
この春、みなさんはお花見はされましたか?青空の下で咲く薄ピンクの桜や、雨に濡れた黒い幹が繊細な花びらを美しく引き立てている様子を見ると、うっとりしてしまいます。お花見は春の宴の楽しみの一つですが、かつては田の神様へ今年の稲の豊作を祈る意味合いがあったそうです。
我が家のお花見は夫の希望で焼肉が定番です。イスやテーブル、カセットコンロなどを持ち込んでセットするので、食べ終わるまで忙しく、とても花をゆっくり愛でる時間などありません。豊作を祈るどころか食欲(消費?)が勝ってしまいます。オホホっ。
新年度になりましたね。二十四節気ではこの季節を「清明」と呼びます。この言葉には、生きとし生けるあらゆるものたちが清らかに声明を輝かせる、という意味があります。まさに草花が咲き乱れ、鳥や虫が舞い飛び、ぽかぽかと暖かな陽気に包まれる時期です。その陽気に誘われて、冬物をやっとしまったり、園芸店に足を運んではハーブの苗を買い求めたり、道の駅に立ち寄って初物を品定めしたくなります。先日も「そろそろかな?」とJAの農産物販売所に寄り道したところ、採れたてのワラビやフキ、タケノコなどが並んでいました。もちろん買わずにはいられません。早速かごを手に取り大量買いです(笑)
今月はその初物をご紹介します。頂き物の長崎県小串町のとってもあま~いトマトとアスパラのサラダは赤と緑の色が綺麗なので、波佐見焼の一真窯の白磁市松彫13.5センチプレートにキリっと盛り付けます。「博多れ」というマイルドな野菜だれで頂きます。同じ一真窯の白磁斜面取丸カップにはタケノコとワラビと豚バラの煮物を。味付けは薄口しょうゆと酒、みりん、ほんの少しのキビ砂糖です。「カップ」という品名ですが、ある時はコーヒーやお茶などの飲み物を入れて、またある時にはモダンな小鉢として使うことが多いです。どちらにしても手に取って使いますので、「手取り感」が良いのでしょうね。
そして、たけのこご飯。油揚げとタケノコを刻んで、薄口しょうゆや塩、お好みでみりんやお酒などを入れて炊きます。水をだし汁に変えて、お米にもち米を少々混ぜるとふっくらもっちり炊きあがりますので、ご参考までに。せっかくなので大ぶりの塗り物の鉢を選びました。この食卓ではご飯が主役です。器によそったら、木の芽を飾ります。これも我が家の庭の初物です。ご飯を口に入れるとタケノコの何とも言えない香りと歯ごたえ、特に木の芽のかぐわしい香りがたまりません。でも、自宅の菜園ではこれから夏にかけての時期は要注意です。山椒の木にアゲハ蝶が来て卵を産むので、うっかりすると幼虫に葉を食べられてしまうからです。
合わせるお汁は、旬のアサリ。貝のうまみが汁に染み出てご飯に合います。汁椀は小ぶりのすっとした形の小吸い物椀です。たっぷり入る平たい椀も好きですが、この食卓では一真窯のモダンな雰囲気の器に合わせてみました。
テーブルクロスは春になると使いたくなる優しいピンク。角度により織り柄がところどころキラッと花弁のように見えるところが好きです。30年ほど前に購入したドイツ製のものですが、大切に使っているので今も現役です。このクロスに出会った時は値段が少し高かったように記憶していますが、使ってきた年数を考えるとお得な買い物でした。このクロスを広げると部屋が一瞬で春の雰囲気に変わるので、とても重宝しています。
昨年友人から、「初物を食べると寿命が長くなる」と聞いて調べてみたところ、「初物七十五日」ということわざがあるようです。旬な食べ物の「初物」、つまりその年に出る最初のものを食べると、寿命が75日延びるという意味です。昔から春の山菜、夏野菜、秋の野菜、冬野菜など、各季節の人の身体に必要な効能を持つことが経験的に知られ、旬の食材は栄養価が高く体調を整えるといわれてきたため、初物を食べて健康になり、結果として長生きするという発想がことわざになったそうです。
日本の四季の素晴らしさと、季節の恵みをありがたく味わう心を大切にしたいと思います。












| メニュー | たけのこご飯、アサリの澄まし汁、小串トマトとアスパラのサラダ、ワラビとタケノコとブラバラの煮物 |
|---|---|
| 器 |
白磁市松彫13.5センチスクエアプレート 一真窯(波佐見焼) 白磁斜面取カップ 一真窯(波佐見焼) 京朱塗9寸大鉢 象彦(京都) 越前塗小吸物椀 不詳(福井県) |
| カトラリー | 箸 山下工芸(大分市) |
| リネン | テーブルクロス 不詳(ドイツ) |




