「A New Polite of KOGEI 工芸の新たな礼節」を開催 金沢クラフトビジネス創造機構

自身の作品を説明する今西氏

 (一社)金沢クラフトビジネス創造機構(金沢市)が実施する「金沢つくるプロジェクト」の展覧会「A New Polite of KOGEI工芸の新たな礼節」が6月1日~7月31日、東京・銀座の工芸アートギラリー「銀座の金沢」で開催されている。

 「『ものづくり』をつくる」をコンセプトとした「金沢、つくるプロジェクト」の第2弾、同機構の工芸ディレクター兼デザイナーの原嶋亮輔氏がディレクションした。2月の地元での展示を経て、東京での披露となった。

 原嶋氏デザインの「家具」をフォーマットとして、領域にとらわれない「工芸の新しい着地点」を探り、コンテンポラリーデザインとしての工芸領域の開拓を目指す。公募の中から選抜された漆、陶磁、ガラス、竹の5作家の作品がならぶ。

 陶磁からは、今西泰赳氏が参加。同氏は大学・院で、がんや免疫の研究に従事、その中で感じた「細胞と生命力」をテーマに制作する。「今回のお題に、培養実験で用いるシャーレの中をイメージした」と今西氏。磁土を練り込んだあとを残した地肌に、4色のブルーの細胞、パラジウムの銀とで細胞分裂や皮膚を表現した板状の作品を、テーブル内に閉じ込めた。このほか漆芸からは、野口健氏と筧智景氏、ガラス・富永一真氏、竹・成山悟司氏の全5作品を展示・販売する。

 銀座の金沢は、金沢市のアンテナショップ。食と工芸を扱うダイニングギャラリーとして、2014年開業の複合施設「キラリト ギンザ」内に開設。10周年を迎えた今年3月、金沢の「KOGEI」を多面的に発信するギャラリーとして、泰明小学校そばのみゆき通りに移転、リニューアルオープンした。

ディレクターの原島氏