第40回伝統的工芸品月間国民会議全国大会(主催・経済産業省、伝統的工芸品月間推進会議、岡山県、(一財)伝統的工芸品産業振興協会、日本伝統工芸士会)が11月2~5日、岡山市内で開催された。
メインイベント「KOUGEI EXPO IN OKAYAMA」(3~5日)は、「晴れの国が、晴れ舞台。―岡山でめぐる、日本全国伝統工芸の旅―」と銘打ち、コンベックス岡山で全国各地の約90品目の伝統的工芸品の展示・販売を行った。陶産地からは地元備前焼のほか、京焼・清水焼、石見焼、伊万里・有田焼、波佐見焼、九谷焼、薩摩焼、会津本郷焼に、虫明焼(郷土伝統的工芸品)が参加した。
会場中央では備前焼が大きく展開し、ろくろ実演も行った。「TEWAZA LIVE」実演コーナーでは九谷焼、薩摩焼、波佐見焼がブースを連ねてろくろ、絵付け、彫などを披露し、技に見入ったり、動画撮影を行う多くの来場者が見られた。また体験コーナーでは会津本郷焼、備前焼が出展、子どもを含む多くの参加者でにぎわい、1時間近い待ち時間となるブースもあった。
圧巻の「第25回日本伝統工芸士会作品展」のコーナーでは約170点もの作品を展示、注文を行う客も目立った。また来年の開催地・石川県紹介コーナーでは、吉田美統氏の釉裏金彩作品も並んだ。このほか第4回三井ゴールデン匠賞の展示、岡山県知事指定「郷土伝統的工芸品」のコーナーなどを設置した。
伝統的工芸品産業振興協会・原田元代表理事(宝泉窯社長)は「岡山県での初開催で来場者に関して多少の不安はあったが、連日の人出に杞憂に終わった。活気のある良い大会になってうれしい」と話した。備前焼陶友会の副理事長山本竜一氏は「10月の備前焼まつり、開催中の市内中心部での備前焼伝統工芸士展などでも今大会をアピール。食器販売イベント『暮らしを彩る器フェア』で県民にはなじみのある会場だったことも奏功のひとつ」と述べた。
2日には、伝統的工芸品産業の振興に顕著な功労があった個人/団体を表彰する式典(経済産業大臣表彰と中国経済産業局長表彰)を実施した。陶磁器分野の全国の表彰者は次の通り(敬称略)。
経済産業大臣表彰・功労賞
佐久間藤也(益子焼協同組合理事長)
柴幸一(笠間焼協同組合理事)
市野力(丹波立杭陶磁器協同組合監事)
平川忠(協同組合岡山県備前焼陶友会理事)
日幡行雄(同陶友会監事)
木山勝彦(天草陶磁振興協議会会長)
田中亮太(佐賀県陶磁器工業協同組合理事長)
福永幾夫(九谷焼伝統工芸士)
山田登陽志(同伝統工芸士)
大西誠一(丹波立杭焼伝統工芸士)
十時開次(上野焼伝統工芸士)
経済産業大臣表彰・優良団体賞
天草陶磁器の島づくり協議会
中国経済産業局長表彰・功労賞
岩本哲也(協同組合岡山県備前焼陶友会理事)
木村茂夫(同陶友会副理事長)
松本篤治(備前焼伝統工芸士)
関東経済産業局長表彰・功労賞
羽石修二(笠間焼協同組合理事)
大塚一弘(益子焼協同組合専務理事)
小島均(茨城県立笠間陶芸大学校)
中部経済産業局長表彰・功労賞
藤井健司(萬古陶磁器振興協同組合連合会理事長)
山中国盛(九谷焼伝統工芸士)
山本博(九谷焼伝統工芸士)
北村隆(九谷焼伝統工芸士)
水野雅之(美濃焼伝統工芸士)
九州経済産業局長表彰・功労賞
金ヶ江泰彦(佐賀県陶磁器工業協同組合理事)
熊谷修二(上野焼伝統工芸士)
森山金光(小石原焼伝統工芸士)