オールドノリタケ✕ノリタケ 横山美術館

オールドノリタケ「ポートレート金盛婦人図大花瓶」 明治24~44年頃

 横山美術館(名古屋市)で6月25日まで、企画展「横山美術館所蔵品オールドノリタケ×ノリタケの世界」が開かれている。

 同展は、日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)が19世紀末から戦前にかけて生産し、米国や英国へ輸出した洋風陶磁器オールドノリタケと、当時の優れた画家たちによる手描きの飾皿のほか、画工たちの油彩画、戦後のボーンチャイナのスタジオコレクションなどオールドでないノリタケとの響演であり、今回は3階と4階の2つのフロアを使って約500点を展示している。

 今回展の見どころは、当時人気の高かったモガを意匠化した「ラスター彩シスターボウル」をはじめ、同じくラスター彩による「キャンディボックス」「煙草セット」のほか、オールドノリタケの代表的な装飾技法である「盛上」を使った「燕(つばめ)図花瓶」など。写真は「ポートレート金盛婦人図大花瓶」である。

 原久仁子学芸員はオールドノリタケの魅力について、「貿易商の森村組がニューヨークにデザイナーを常駐させて生み出した洋風の意匠を日本の職人技で実際に質の高い製品にして輸出したところ」としており、森村組の創設者・森村市左衛門が大切にしていた言葉「感激」に沿った鑑賞を勧めている。
 会期中の5月20日、6月3日、同17日、いずれも午後1時半から同館学芸員によるギャラリートークを開催している。