全国タイル工業組合(名古屋市)と多治見市美濃焼タイル振興協議会(多治見市)は1月27、28日、イベント「タイル百年祭―TILE CENTENARY FESTIVAL」を東京・原宿で開催した。
全国タイル工業組合は昨年が「タイル」という名称統一から100周年となることから「タイル名称統一100周年記念プロジェクト」を発足。4月12日を「タイルの日」として記念日登録し、さらに100周年記念ロゴマークを制作した。同祭はプロジェクトの集大成となる企画として、タイルの多様性や魅力をクリエーターや一般に向けて発信した。
会場では2日間にわたって、「アイアムタイルマン」と毎日アップするインスタグラムが人気の佐々木康至氏(大阪・マイト)のタイルアート実演やアーティストとコラボした作品展示のほか、タイルグッズを扱うショップ「Touch The Tiles」も登場した。初日夕刻からは、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、建築士の永山祐子氏、INAXライブミュージアムの主任学芸員後藤泰男氏、木野謙同組合理事長などによるパネルディスカッション「タイル未来会議」を実施、多くの参加者が集まった。翌日はアーティストによるトークセッションのほか、タイルを使ったスマホケースをつくるクリエーターが出店し、ワークショップを行った。「タイル未来会議」は動画共有サイト「YouTube」で公開している。
「タイル」という名称は、1922年4月12日東京市で全国タイル業者大会が開かれ、化粧煉瓦(れんが)、貼付煉瓦、装飾煉瓦など、それまでのさまざまな呼称から統一が決まった。タイルの起源はエジプトのピラミッドの装飾材にあり、日本では飛鳥時代、仏教伝来に伴って瓦を焼く技術がもたらされ建築の壁や床にやきものが使われ始めた。明治期以降は西洋建築に用いる装飾性に加え、建物の壁や床を保護する機能性も認められ、建築装飾材としてその文化が世界各地に広まっていった。