外国の工芸、デザインに特化した展覧会 国立工芸館

アルド・ロンティーニ《リッコリーナ》 1987年 国立工芸館蔵(撮影:野村知也)

 金沢の国立工芸館で「工芸館と旅する世界展―外国の工芸とデザインを中心に」が開催されている。

 同館の多彩なコレクションの中でも、これまでまとめて展示する機会の少なかった海外作家による作品を中心に約100点を紹介する展覧会で、「フランスのポスターやアール・デコ期の工芸品」「ドイツのバウハウスで活躍した作家たちの家具やデザイン」「イギリスの工芸」「イタリアの陶芸や工業デザイン」など、会場ではそれぞれの歴史背景や文化、時代性などを解説するとともに、作品の魅力をひもとく。陶磁器関連では、バーナード・リーチ、ルーシー・リー、ハンス・コパー、カルロ・ザウリ、グェッリーノ・トラモンティ、アルド・ロンティーニなどの作品のほか、工業デザインとしてドイツの建築家・デザイナー、リヒャルト・リーマーシュミットによる「パンチボウル」も出品。

 「本展の出品作家には国という境界によって、自らのアイデンティティや居場所に影響を受けてきた人々も多く含まれる。病気や戦争、さまざまな災害に今も直面する私たちに、作品が多くのヒントを与えてくれるだろう」と同館。会期は2月26日まで。