かっぱ橋道具街にガラス器専門店 「TSUCHI-YA」オープン

作家ものの多様なデザイン、価格帯のグラス類がならぶ1階店内

 革製品製造販売の土屋鞄製造所(ハリズリーの子会社、土屋成範社長)が手掛けるガラス器専門の路面店「TSUCHI-YA」(東京都台東区西浅草2-5-4)が8月18日、東京・浅草かっぱ橋道具街にオープンした。

 同店(69.15平方メートル、3階建て)は「コップ一杯の水を、ガラスで美しく」をコンセプトに、約1000点のガラス器などをそろえ、運営は一創(同子会社)が担う。1、2階が店舗部分、1階ではガラス作家・工房の35人以上による多様なデザインや価格帯のグラス類、2階のギャラリースペースでは、鍋谷グラス工芸社、小林硝子工芸所、根本硝子工芸、ミツワ硝子工芸の江戸切子作品のほか、色を被せないカットのみのオリジナル「透明の江戸切子」や、作家に依頼したオリジナルデザイングラスなど約30種も展開する。

 土屋鞄は1965年の創業。高級ランドセルメーカーとして名をはせ、現在では海外合わせて27店舗の直営店を展開。また一創は2020年に硝子事業「室町硝子工芸」を立ち上げ、江戸切子を中心に扱う店を白金に構えた。「白金の経験から、インテリア、アクセサリーと幅広いアイテムが存在するガラス工芸の世界は、土屋鞄の世界観に通じ、顧客親和性はガラス工芸にあった。白金店の目的をもっての来店から、ここでは目的がなくても1個のグラスとの出会いを提供する場としたい」と一創の塩見あかり氏。また土屋社長は浅草に居住しており「世界的な有名シェフが来たといった話をよく耳にしており、コロナ禍以前から、この町が世界に対して高いポテンシャルをもっていることを感じていた」と話す。

 2階ギャラリーではガラス作家の個展企画、イベントを計画するほか、展覧会などでしか入手できない作家物の予約販売を模索し、作家の生活を支える「つなぎ手」の役割も果たしたいとする。

落ち着いた趣の店舗外観