京都伝統産業ミュージアム(京都市、京都産業振興センター)は、7月7日に京都東山に開業した「THE HOTEL HIGASHIYAMA by Kyoto Tokyu Hotel」のホテル内ショップのプロデュース、客室やレストラン内の工芸品のコーディネートを手掛けた。
同ミュージアムが手掛けたのはホテル内ショップのプロデュースと、客室やレストラン内でインテリアなどとして使用される工芸品のコーディネート。ホテル1階のショップ「Craft Editions」では、客室やレストランで使われている職人による商品を中心に、日々の生活の中に取り入れたくなるアイテムがならぶ「Lifestyle」、体験キットなどを集めた「Experience」、旅の思い出を持ち帰ることができる「New Souvenir」、 話題の職人や季節を感じる工芸品など特別な出会いを生む「Exhibition」の4つの空間から構成。陶磁器関連では、蘇嶐窯の皿「Spiral」、前田麻美氏「灰青釉 ダリア五寸皿」、紅村窯「プチボンボニエール」、谷口晋也氏「陶石のミル」(醒間)、めおと屋いろゑ「鳥獣戯画蕎麦猪口」など、伝統を踏まえつつ新しい息吹を感じさせる約50アイテムのほか、京漆器、京友禅、京扇子など地元京都の職人の品々を展開し、ワークショップの計画もある。
レストランやパブリックスペースの一部のインテリアおよびアートワークは、同ミュージアムが地元で活動する職人たちによる伝統工芸品でコーディネート、館内随所で伝統工芸品を鑑賞できる。5階のスイートルームでは、蘇嶐窯「青瓷しのぎ掛花生」、前田氏「ブロンズ釉 稜花コンポート皿」や西陣織のテーブルランナー、西陣織の引き箔を使用した内装材や表具師によるしつらえを体感できる。
また京の茶の文化に触れられるTea&Bar「Sarei」では、山岡善昇窯「風神・雷神図」、守崎正洋氏「流天目三角碗」、紅村窯、岡山高大氏の抹茶碗が使用される。さらにレストランの個室には紅村窯四代目の林侑子氏「土鋏のオブジェ」が飾られている。
同ホテルは、尋常小学校から数えて100年以上にもわたり、学問の歴史を刻んだ元京都市立白川小学校跡地に建つ。周辺の景観に合わせた和建築を取り入れ、「ミュージアム・ホテル」をコンセプトとする。