工芸・手仕事の作り手を紹介する展示販売会「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE」(主催・KYOTO KOUGEI WEEK実行委員会)が3月9~12日、ホテル カンラ 京都をメイン会場に開催された。同展は2018年に同ホテルを会場にスタート。今年は韓国や上海など海外を含む50の作り手が集まり、38室を彩った。
洸春窯・高島慎一氏は室内廊下、テレビ台に色見本の花器を、ベッド上には同じく、銀彩が粒状に固まりジンタンをまぶしたかのようなものなど、多彩なカボチャとリンゴのオブジェを飾った。また同窯の代名詞ともいえるイッチンの作品は、露天風呂に続く自然光の白洲にならんだ。「私にとってホテル客室での展示は新鮮。普段の仕事とは異なり、思い付きや試作などに取り組め、リフレッシュできる。またここでの出会いも、毎回次につながる場となっている」と同氏は話した。蘇嶐窯は新作「刷毛目」シリーズのパスタ皿を発表した。京青磁と小石原のハイブリットブランドである同窯の新しい挑戦。青磁に飛び鉋を施した前作「飛鉋」に続く第2弾で、涌波まどか氏は小石原の実家で磁器に化粧土で模様を生み出す技を完成させた。10月にはシリーズラインアップを披露する予定という。京都宮津の夫婦ユニット「AIKA CRAFT」は、初出展、素朴な土ものの食器を披露した。宿泊施設関連用品の企画、製造、販売を行う醒間(SAMASIMA)は、これまでの庵治石ミルに、京都の陶芸家谷口晋也氏が協力した磁器ミルを展示した。
このほか京都造形芸術大学大学院で学んだ韓国人陶芸家Aram Hwang Ceramic Studio、漆器はasada、我戸幹男商店、輪島キリモト、丹波漆プロジェクトらが出展。京友禅の染型製作会社による、友禅柄の木製の皿やグラスも見られた。同ホテル本館1階では3月4~27日、同展キュレーターが厳選した出展者の作品を販売するポップアップショップも実施、展示販売会の来場者数は、バイヤー881人(昨年5日間で1563人)、一般597人(1074人)を数えた。