工芸・クラフトの担い手46組が京都に集結 DIALOGUE +

みやこめっせの様子

 工芸・手仕事の作り手を紹介する展示販売会「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE +」(主催・KYOTO Kougei WEEK実行委員会)が3月10~14日、京都・京都伝統産業ミュージアム(みやこめっせ)地下1階をメーン会場に開催された。43組が出展し、前半の2日間をバイヤー限定の展示会、後半を要入場料のマーケットデイとした。また京都市内にサテライト会場を設けたほか、東京・札幌のホテルでも企画展を繰り広げた。

みやこめっせ

 メーン会場・みやこめっせの陶磁器食器関連では4組が参加。京焼・清水焼の女性伝統工芸士の絵付けがあでやかなブランド「niei・丹影」を展開したのは、京都市中央卸売市場の業務用食器店「みつたけ」。代表の光武正広氏は「女性が憧れる職業としての地位が確立できるようなブランド作りの第一歩として初出展した」と話す。古典柄に独自の感性が盛り込まれた絵付けの大鉢、抹茶碗などをアピールした。同じく初参加の京都・晋六窯は注ぎ口がペリカンのような形で、目詰まりしない「ペリカン急須」を、ティーポットにアレンジしたシリーズ「PELICAN」を地元京都で初披露した。カップ、ジャグ、湯冷ましなどの5アイテム、形状にマット釉が相まって北欧的な雰囲気。また3月末まで「マクアケ」で展開した「京焼感動カレー皿」もならべた。京谷美香代表は「ペリカンは昨年東京のててて商談会で発表し高評価を得た。カレー皿はより多くの職人に依頼できるようはじめたプロジェクト。開始2週間で目標を達成した」と語った。
 京焼青磁に小石原の飛鉋という蘇嶐窯は、竹を編み込んだリース「Spiral」や香炉、飛鉋のくずを焼成してガラスに詰めたアクセサリー、縄文土偶の箸置きやヘアバンドなどをならべた。同展に連続出展する瀬戸・三峰園窯は6角形の陶皿をメーンに展開。どんぐりの笠から取った栃渋を使用した細かな貫入を得意とする。加藤達伸氏は「毎回京都のものづくりのしなやかさに触れることができ、大いに刺激を受ける」と同展の魅力を述べた。このほか陶のアクセサリー作家、京土鈴、漆器では輪島キリモト、山中・我戸幹男商店、同・守田漆器などが参加した。
 「DIALOGUE」は2018年から「ホテル カンラ 京都」の客室やエントランスを会場として開催。今回「DIALOGUE +」とし、メイン会場をみやこめっせに「第2回京都インターナショナルギフトショー」(3月10、11日)の会期と重ね、同ショーの入場パスでも入場可とした。

特別展示

 「ホテル カンラ 京都」(UDSグループ運営)5階の「ザ・カンラスイート」2室を使用した特別展示では、メーン会場参加者のアイテムをディスプレーした。セミダブルベッド上には、多様の表情の漆のパネルをならべた輪島キリモト。桐本泰一氏は「ダイアローグならではの魅力の一つがホテル空間で商品を見せられること」と話した。ホテル1階のショップでも「DIALOGUE +」ポップアップも開催、販売も実施した。さらにUDS運営のHAMACHO HOTEL(東京都、3月12~14日)、ONSEN RYOKAN 由縁 札幌(札幌市、3月10日~5月5日)でも「特別展示」を実施している。

サテライト会場

 「ビームス ジャパン 京都」では4~14日、「BESMS JAPAN と京都市『伝統産業の日』」と題し、蘇嶐窯、洸春窯の食器類、陶芸作家・金井悠氏作品も展示販売した。
 ストリートカルチャーを牽引するギャラリー「VOU/棒」では6~14日、兵庫県の同じ町で生まれ育った金井悠(京都)と今村能章(沖縄)の2陶芸作家の展覧会「直訳できない器―対話―」を開催。ガラスと陶を融合させる今村氏、陶素材のもつ表現力で語る金井氏の作品を集めた。