大堀相馬焼の松永窯は3月16日、新工房(福島県西白河郡西郷村小田倉小田倉原1―31)をオープンした。東日本大震災・福島第一原発事故による避難先である同地で、仮設工房を経て今回新築開業した。
東北新幹線新白河駅から10分、白河ICからも車で8分という好アクセスの立地。敷地面積は約330平方メートル、大屋根の木造平屋建てで、大きな窓から自然光の入る外観は、カフェのようにも映る。東京の建築デザイン事務所が設計、店舗設計はプロダクトデザイナー・寺内ユミ氏が手掛けた。寺内氏とは、震災後の2014年に同窯4代目・松永武士氏が始めた二重焼湯呑みとデザイナーのコラボレーションブランド「KACHI-UMA」プロジェクトから協力を仰いでいる。
工房内には約100点の大堀相馬焼を展示販売するスペースを設けるほか、今後、絵付けや型付けを体験できるコーナーを設置する。さらに中長期の陶芸体験を通しての後継者育成を目的とした施設建設も計画している。
20日にオープンした「なみえの技・なりわい館」内の大堀相馬焼協同組合施設にも同窯は商品を展開しており、「ここでは松永窯以外の作品や、全国、海外のアーティストの作品も展示する予定。西郷村の工房は『文化と人の交流の発信拠点』としていきたい」と3代目窯元・松永和生氏は意欲的に語った。
松永陶器店(松永窯)