「有田焼を愉しむ食卓とレシピ」発刊 賞美堂本店

 有田焼商社の賞美堂本店(蒲地桃子社長)はこのほど、伝統文様の有田焼のテーブルコーディネートとレシピを提案する実用書「有田焼を愉しむ食卓とレシピ」を発刊した。副題は「伝統文様×色彩×料理で魅せる31のテーブルコーディネート」。発行は㈱フォーシーズンズプレス、大型本、フルカラー136ページ。1980円(税込)。
 同書は、レシピ集とテーブルコーディネート指南本の「顔」を持ちながらも、有田焼を紹介することに軸を置いたユニークな形態が特徴。有田焼をどのように使えばいいかを掘り下げて紹介している点で、従来の有田焼紹介本とは一線を画す内容となっている。監修とレシピは、(一社)ジャパンテーブルコーディネート協会の和田よう子氏が担当。同社のブランド「其泉」を中心とする伝統文様があしらわれた器を用いた31シーンと97レシピを紹介している。食卓提案では特に料理とコーディネートの色に着目して説明。食卓のイメージを構成する色として、「カジュアル」「ロマンチック」「エレガント」などといったテーマによるカラーチャートを掲載するほか、31の各シーンではコーディネートのコンセプトやテクニック、食べ物との組み合わせについて紹介している。また、ところどころにワンポイントアドバイスやQ&Aが挿入され、有田焼のうんちくや器を使う際のヒントがふんだんに盛り込まれており、読み応え十分だ。
 有田焼の紹介セクションでは歴史や製造工程などを説明する一方で、同社の役割や意匠を紹介ページも設けている。同書を企画したのは、同社社長の長女で、ジャパンテーブルコーディネート協会で学んだこともある蒲地亜紗氏。「伝統文様の有田焼が、美術館に飾られるだけのものではなく、100年後も食卓で愛され、選択肢として遺(のこ)すことができるように、という思いで制作した」と語る。