1915年誕生の「山水」をアップデート ニッコー

 洋食器メーカーのニッコー(石川県白山市、三谷明子社長)はこのほど、1915年発売のロングセラー「山水」シリーズを現代的なスタイルにアップデートし、「SANSUI」として発売した。
 中国の絵画様式である山水画を基にした柳(ウィロー)の絵柄「ウィローパターン」は、世界でもよく知られた絵柄の一つ。17世紀半ば欧州で流行したシノワズリ(中国趣味)の流れから生まれ、19世紀に入ると英国を中心に多くのメーカーがウィローパターンをあしらった食器を作り、世界中でブームとなった。日本でも大正から昭和にかけて多くのメーカーがこの絵柄の食器を大量に生産して世界へ輸出。その中の一つがニッコーの「山水」で、発売以来105年にわたって製造・販売してきた。
 今回発売となった「SANSUI」シリーズは、多くのファンに支持されてきた「山水」のデザインを継承しつつも、素材や製造方法、ラインアップを現代の需要に合うようアップデート。乳白色の硬質陶器に銅板絵付けした「山水」に対して、純白のファインボーンチャイナに転写紙による絵柄を施し、より繊細な絵付けと、より高い強度へと進化させた。プレートは「山水」になかったサイズの27.5センチ(5800円)、21センチ(4000円)をラインアップしたほか、兼用碗(4600円)、兼用皿(2400円)をそろえる。同シリーズはニッコー公式オンラインショップで販売している。
 「ウイローパターン」には、中国に古くから伝わる恋の物語が込められている。富豪の娘とその使用人の若者という身分の違う二人が恋をして駆け落ちするが、家族に追われ捕まってしまう。現世で結ばれなかった二人は、二羽の鳥となって永遠の愛を誓い合う。器に描かれた風景と二羽の鳥に、そんな純愛の物語の思いを馳せてみては。

ニッコー公式オンラインショップ