SOCOLA 武蔵小金井クロスに大型店 吉祥寺菊屋

 食器小売り老舗の「吉祥寺菊屋」(東京都東久留米市、宮崎浩彰社長)の新店が6月30日、JR武蔵小金井駅南口に開業した大型複合施設「SOCOLA武蔵小金井クロス」の2階にオープンした。
 上りエスカレーター側に位置する「菊屋」の店舗面積は約142平方メートル。平均100~115平方メートルの通常店と比べて大型で、通路と一体となった白木の木目調の床、隣接店との壁がないなど、少し印象が異なる。しかし来店客は目当ての商品を探したり、見て回ったりと、幅広い層が行き交う。「吉祥寺の本店、国分寺店(セレオ国分寺)との間に位置するここでは、お客様の方が菊屋をよくご存じ。国分寺まで行かなくて良いから助かる、また、〇〇はあるわよね?と、当然の品ぞろえを期待される」と小林律子店長は笑う。緊急事態宣言解除により開業を迎えたため、式典、内覧も他施設同様に中止、さらに近隣への開業告知もなかったが杞憂だったようだ。
 前面にはムーミン食器のコーナー、飯碗、湯呑み、急須・ポット、子ども用食器と各専用の棚を設けるほか、奥の壁一面に食器がずらりとならび、まさに食器屋。JR中央線沿線在住者にとって、創業70年を越える「吉祥寺菊屋」の知名度ももちろんのこと、子ども連れや、3日間連続で来店したマンション居住者もいる。
 コロナ禍の家で過ごす時間の増加は、椅子やテーブルといった仕事用の家具需要の高まりだけでなく、「家弁」が一般にも広がった。家中商材が多く、地域密着型で展開する「菊屋」にとっては追い風、小林氏は「来店頻度が高いため、鮮度のある店づくりが最も大事」と話し、初年度売上目標6000万円を掲げる。
 「SOCOLA」は野村不動産が2020年からスタートした地域密着型商業施設ブランド。「SOCOLA 武蔵小金井クロス」は、東京・稲城市の若葉台、神奈川県の日吉に続く第3弾。地上26階建と24階建のツインタワー(総戸数716戸)の分譲マンションを中心に、1~4階の商業施設部分に49店が入る。

SOCOLA武蔵小金井クロス