今年の夏に石川県金沢市に移転する東京国立近代美術館工芸館(通称・国立工芸館)の、エントランス正面の中庭に設置される作品が決まった。
陶芸家・金子潤氏制作の3メートルを超える大型作品「Untitled(13-09-04)」だ。同館のシンボリックな作品として、来館者を迎えることになる。
金子氏は1942年名古屋市生まれ。63年に絵画を学ぶため、米・ロサンゼルスに渡ったが、現代陶芸のコレクターと出会ったことがきっかけとなり、陶芸に魅せられ、シュイナード芸術学校(現カリフォルニア芸術大学)で陶芸を学んだ。71年に京都国立近代美術館と東京国立近代美術館で開催された「現代の陶芸-アメリカ・カナダ・メキシコと日本」展では、アメリカの陶芸家として紹介されている。
83年にはオマハのレンガ工場で、陶作品の大きさの限界に挑戦する「オマハ・プロジェクト」を開始。巨大な「ダンゴ」シリーズを作成。90年代以降、高さが2.4メートルの「ダンゴ」をはじめ、3.4メートルの「ダンゴ」、さらに3.9メートルの「トールダンゴ」を制作するなど、大型陶磁制作の第一人者だ。