九州発!田中ゆかりのテーブル通信[5]1月:女正月・今年もよろしくのおしゃれな女子会

 あけましておめでとうございます。令和の初めてのお正月、皆さまはどのように過ごされているでしょうか。私は年女の節目の年としてこれまでを振り返りながら、これからの一年をさらに良き年にするために、今まで心で思いながら実行できなかったことなどに挑戦し一つでも必ず成果を上げること、また、多くの方と器や食卓を通して交流を深めていきたいと思います。
 さて、お正月は1月1日から7日までを「大正月」、特に年男が活躍するため「男正月」と呼ぶのに対して、1月15日は「小正月」とか「女正月」と呼びます。この日の朝には小豆粥を食べる習慣があったそうで、これを食べてその年の豊作を祈願したということです。小豆は米や大豆と共に、日本人の食生活に欠かすことのできない穀物で、赤い色の食べ物は体の邪気を払うと考えられていたため、おめでたい日には赤飯として供されてきました。
 改めて「女正月」を考えてみましょう。年末からお正月を迎えるための掃除やしつらえ、お節料理をこしらえたり、元旦から親戚やお客様をおもてなししたりと、主婦にとっては大変忙しい時で、10日の鏡開きが終わったら、やっと正月気分も抜けて平常になり、ゆっくりできる頃ですね。この頃近所の主婦たちが集まって「おめでとう」を言い合っていたそうです。私もそれに倣い、この頃に冷蔵庫にお正月の「残骸」を見つけては女正月を楽しむことにしています。

ビュッフェスタイルでシャンパンパーティー

 もてなす人が台所に入りっぱなしではお客様と一緒に楽しめませんね。そんな時はビュッフェスタイルをお勧めします。冷めても美味しいメニューを選び、あらかじめ取り分けやすいように器に盛り付けて、取皿を準備します。テーブルの一角やサイドボード、ワゴンや小さなテーブルなどを利用して、器の大きさや高さ高低差なども考えながらセッティングします。狭いキッチンで皿を並べ盛り付けに四苦八苦するのではなく、セルフサービスですからとてもスマート、その分おしゃべりに花が咲きます。
 お正月の料理は食べつくしていますから、雰囲気をガラッと変えておしゃれに。小さなキラッと光る蓋物はフランスのお菓子でおなじみのマカロンをかたどっています。数年前にマカロンと同じパステルカラーでデビューしたところ「可愛い」と大変な人気でした。制作者のユーモア精神に敬意を表したいと思います。ゴージャスなこのカラーは出来立てホヤホヤ、光物が好きな私は迷わずこれを選びました。新作として今年売り出される予定です。キャビアを入れてみました。クラッカーはマカロンの引き立て役として、ガラスのミニトレイに並べます。

 グレープフルーツのジュレはミントと共にお洒落なコンポートに盛り付けます。器の周りに小さな四角い窓が見えますね。これは水晶彫りという技法で、生地が生(焼成していない)の状態の時に専用の道具で一つ一つ丁寧に穴をあけ素焼きをしたのち、釉薬をかけて1280度で焼成をします。それから秘伝の調合の粘土を穴の中に埋め込んで再び焼成するという気の遠くなる作業を経て完成されるものです。清々しいまでの清潔感が食材を引き立ててくれます。

 大きなコンポートは直径32センチ、高さ10.5センチで、ドイツのものです。残念ながらこの大きさで日本製はあまり見かけません。ケーキをホールで盛ると迫力があります。フルーツの盛り合わせやフィンガーフードを並べるなど、とても重宝しています。
 テーブルクロスは、きらめく器のイメージに合わせて生地はドイツ製レーヨンとポリエステルの混紡で、シルバーの刺しゅう糸で模様を描いています。まるでドレスのよう。仕上げはシャンパン、グラスは端正な形を選びます。家庭にいながらレストランのパーティー気分で女子会も盛り上がること間違いなしです。

メニューキャビア、グレープフルーツのジュレ、バスク風チーズケーキ、エッグ・ハム・レタスとベーコンのサンドウィッチ、シャンパン
マカロン蓋物 重山陶器(波佐見焼)
水晶彫りミニコンポ―ト 丹心窯(波佐見焼)
プラチナ巻きソーサー 丹心窯(波佐見焼)
白磁コンポート シューマン(ドイツ)
ガラスミニトレイ アンティーク(イギリス)
ヴィノム シャンパングラス リーデル(ドイツ)
カトラリー
その他
オリジナル コーヒースプーン ザ・コンランショップ(イギリス)
ガラスペーパーナプキンスタンド IVV(アイヴィヴィ、イタリア)
テーブルクロスSHITURAE ブルーミング中西(東京)