「窯のある広場・資料館」をリニューアルオープン INAXライブミュージアム

リニューアルオープンした「窯のある広場・資料館」

 常滑市のINAXライブミュージアムは10月5日、「窯のある広場・資料館」をリニューアルオープンした。
 同館は、1921年から71年まで土管やタイルなどを製造していた窯、建物、煙突を保存して公開している文化施設で、国の登録有形文化財に登録され、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されている。築90年を超え老朽化の懸念があったことから、3年前から保全工事を進めていた。

巨大な窯内部ではプロジェクションマッピングで窯焚きの様子を紹介

 同館の大部分を占める窯の内部は、高さ3.4メートル、間口5.5メートル、奥行き11メートルという巨大なもの。以前はこのスペースをコンサートや展示会の会場として利用していたが、リニューアル後はそれを止め、建物自体や窯の内観の魅力を楽しむ形に転換した。窯内部ではプロジェクションマッピングで炎の映像を映し出すことで、窯焚きの工程を臨場感たっぷりに体感できるようにした。このほか、当時の職人による窯焚きの様子がわかるスコープ、写真家・山田脩二氏の写真で昭和30年代の土管製造最盛期の常滑の活気を伝えるフォト・ギャラリー、明治から昭和にかけて常滑でつくられたやきものと道具の展示などが館内で展開されている。さらに、3年を費やした保全工事の様子も写真パネルで紹介。特に煉瓦煙突の解体については、全ての煉瓦に番号をつけて管理し、解体前と全く同じ位置に戻されたことが紹介されている。

写真家・山田脩二氏によるフォト・ギャラリー
INAXライブミュージアム