九州発!田中ゆかりのテーブル通信[3]11月:鍋の季節・土鍋の楽しい使い方いろいろ

 気がつけば11月、朝夕はすっかり冷え込んできました。衣類や寝具などを入れ替えられていると思いますが、同様に食器棚も見渡してみましょう。暑い夏に大活躍したガラス製品は奥の方に、手前の方にはこれからよく使う器を集めてならべてみると作業効率も良くなりますし、不思議と新鮮に感じます。
 寒い季節にはアツアツ出来たてがご馳走で、土鍋料理はその代表といえるでしょう。取り分ける器も、それを助けてくれそうな温かみのある色遣いや保温性を兼ね備えた厚みや深さ、手に持った感じを大切に選ばれると良いですね。
 今回は3種類の土鍋の楽しみ方をご紹介します。

昔ながらの大鍋でいただく鶏の水炊き

まず、皆で楽しむ昔ながらの大鍋、鶏の水炊きにしました。直径33㎝の大鍋でどっしりとした雰囲気の黒釉はさまざまな食材の色を引き立ててくれます。大きな持ち手が特徴で、アツアツの鍋をキッチンから卓上コンロに運ぶ際にも安心してしっかり持てる形になっています。この土鍋でしゃぶしゃぶ、すき焼き、ちり、すっぽん、最後の雑炊までずいぶん楽しみました。しかし、昨年末鍋が割れていることに気付き、ショックで捨てることもできず新しいものを購入する気にもならず、初めて使うときに「おかゆさん」を炊いて一晩放置していたことを思い出し、チャレンジしたところ割れがふさがって再び使えるようになったという愛用の鍋なのです。

鶏の水炊き

 取り鉢は土鍋の雰囲気に合わせて陶器で、美しい飛びカンナ模様が入ったもの。見込みの化粧は白と黒があり、その日の気分で使い分けます。すき焼きなどは直径12センチ高さ5センチくらいの小鉢を目安にされたらいかがでしよう。薬味の小ねぎともみじおろしは陶器の片口に、柚子胡椒は染付の千代口でピリリと効かせ、ポン酢はガラスのたれ入れに。陶器ばかりでは渋すぎて重たくなるので、箸休めは赤やブルーの軽やかな小物をプラスしました。和食器は小さな器が多いので、お盆にまとめました。

メニュー鶏の水炊き
黒釉土鍋 長谷製陶(伊賀焼)
アイボリー飛びカンナ小鉢 白・黒 利左エ門窯(波佐見町)
斑唐津片口小付 汲古窯(唐津焼系武雄焼)
染付大根絵千代口 源右衛門窯(有田焼)
ガラス蓋付汁次 山下達巳(兵庫県)
グラス(作者不明)
駒筋中付 幸兵衛窯(美濃焼)
曜変盃  真エ門窯(有田焼)
お盆はつり盆(25年ほど前に道具屋で購入)

お酒と楽しむ小鍋仕立てのうどんすき

 さて、一人の食卓は寂しく簡単になりがちですが、小鍋仕立てはお酒をちびりちびりとやりながら、ゆっくりと自分のペースで次第に満腹になっていくので満たされるものがあります。これはうどんすきですが、直径19センチ㎝小鍋の蓋には布目模様があしらわれ鮮やかな緑釉が食欲をそそります。レンゲの受皿は初夏に沖縄で求めた小皿を合わせてみました。

うどんすき
メニューうどんすき
緑釉布目土鍋 安楽窯(有田焼)
青白磁小鉢 草山窯(有田焼)
青白磁レンゲ 文三窯(伊万里焼)
水玉小皿 北山窯(読谷焼)
お盆松くり盆(25年ほど前に道具屋で購入)

ブイヤベースも土鍋におまかせ

 最後は丸い形と色がマッチしているお気に入りの土鍋で、雰囲気を変えブイヤベースにしました。玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒めてから、魚介類やサフランのスープを入れて煮込むのですが味がまろやかに仕上がり、これはもう手放せません。キッチンに置いても絵になりますね。スープ皿はお鍋の色に合わせて選びました。磁器のうつわなのですが、釉薬の魔法で表情が陶器のような木のような、新しいような古いような味わいがあり、料理の雰囲気と合っているように思います。木のスプーンを合わせ、マホガニー調のプレースマットでお皿を際立たせ、木の葉が舞うテーブルクロスは食卓を一気に秋にしてくれました。

ブイヤベース

 パンかごは網目という技法で磁器の土を紐状にし、手で張り付け編み込んだもので大変な忍耐と技術を要するものです。波佐見焼では唯一の窯元が製作していましたが、8月に窯主が急逝され、遺作となってしまいました。大切に使っていこうと思います。
 バケットを焼いて、その一切れをお皿にのせ、白磁のそば猪口にアイオリソースを入れたら出来上がりです。今日もワインが進みそうですね。

ブイヤベースにバケット+アイオリソースをそえて
メニューブイヤベース バケット アイオリソース
味噌汁鍋 長谷製陶(伊賀焼)
シャビーシックスープ皿 和山窯(波佐見焼)
白磁網目かご 正光窯(波佐見焼)
白磁蕎麦チョク 与山窯(吉田焼)
ワイングラス リーデル VIVANT(ドイツ)
カトラリースプーン DEAN&DELUKA(アメリカ)
バターナイフ(友人のお土産、アメリカ)
小物スパイスミル マーサスチュワート(アメリカ)
マット&クロスプレースマット (20年ほど前にインテリアショップで購入)
テーブルクロス Aspen(中国)