日本の工芸を紹介するギャラリーショップを運営するHULS(柴田裕介社長)は9月1~21日、東京・赤坂の「HULS Gallery Tokyo」で「李荘窯 寺内信二 作品展」を開催している。
世界のトップシェフとのコラボレーションを実現してきた寺内氏が、ろくろ成形、呉須絵付けを施した酒器や茶器を中心に約60点を展示販売。中には、同氏の窯や家の敷地内から出土した初期古伊万里の陶片の染付に魅入られ、30年以上にわたって研究を続けている古伊万里の土の肌合いの猪口などもある。これらに対して主催する柴田社長は「白磁の先にある『濁りの美』を感じる。現代生活において輝きに満ちた作品があふれる中、こうした作品はとても新鮮に感じられる」と述べる。
また空間コーディネーターの佐藤由美子氏による「用の美」をテーマとしたテーブルセッティングでは、銀、黒、白磁の酒器やプレートで、モノトーンのスタイリッシュな空間を演出。このほか李荘窯では江戸期の伊万里の筒状猪口「のぞき猪口」を復刻、唐草、なずな文などを絵付けした約30点を販売、見所の一つとなっている。
寺内氏は「かっこいいものは時代によって変化する。しかし美しいものは不変。400年近くも色褪せない陶片に見られる不変の美を追求したい」と話す。7日にはトークショーも実施した。
同社はシンガポールに「HULS Gallery Singapore」を開設、東京店は7月にオープンしたばかりの2店舗目で、初の企画個展となる。詳細は同社ウェブサイト(https://www.huls.co.jp)を参照。