九州発!田中ゆかりのテーブル通信[11]7月:おうちリゾート・心に残る食卓で思い出づくり

 30度越えの日があるかと思えば、ゲリラ豪雨で土砂災害の恐れありと避難指示が出て、あたふたしていたら「あっ」という間に7月。気がつけば、今年も半分が過ぎてしまいました。おまけに新型コロナウイルスの影響は大きく自粛ムードも和らいできたとはいえ、お出かけすれば3密状態になりがちで、やっぱり家で過ごす時間が増えています。今月は夏休みもやってきますが、みなさんはどのような過ごし方をされるでしょうか?

 夏休みの思い出は?と尋ねられたら、何を思い出しますか?私は海です。幼い頃、家族やいとこと唐津の海の家に一泊して海水浴をしました。その時の若かった両親、可愛い弟やいとこの笑顔、足が届かない深い海、よそのお家のお風呂など、とにかく楽しく冒険した感覚が今も脳裏に強烈に焼き付いています。それ以来大人になった今でも、シミが気になるお年頃と言いつつ夏の海に繰り出しています。三つ子の魂百までとは、よく言ったものです。
 今回は、子どもの心に残る思い出作りとして「おうちリゾート」を提案します。テーブルコーディネートを通して、ご家族で「おうち時間」を楽しんでみませんか。

 まず、テーブルに「題」を付けます。ここが成功のポイントですよ!私の場合は「夏の思い出」です。いつものテーブルに自分なりの夏をイメージした貝の模様のテーブルクロスを広げます。これだけでお部屋のイメージが模様替えをしたみたいにぐ~んと変わります。生地屋さんで布を買うか、またはランチョンマットでも良いですね。
 次に器やメニューを決めていきます。いつも使うお皿でも良いのですが、海のモチーフにこだわってみましょう。ここではサザエの形をした面白い蓋物にサザエのクリームパスタを入れます。一度見たら忘れられない、ものすごい存在感です。また、お皿の代わりは月見貝の殻です。お寿司屋さんのカウンターで発見しました。あまりにも美しく、職人さんに聞けば廃棄するとのことで、20枚ほどもらって大切に使っています。アミューズはイワシのオイル漬けにアラビアータソースとバジルを添えて。海を思わせる鮮やかなブルーの大皿に器ごとのせると、たとえソースをこぼしてもクロスを汚さずに済みます。
 テーブル中央では、フィギュアで海の中の様子を再現してみました。ガラスでできたエンゼルフィッシュ、海で拾った思い出の貝やサンゴなどを配置し、折鶴蘭の子株は海底の海藻のつもりです。夕方から夜にかけてキャンドルをともせばムード満点です。子どもには寝ていただきましょう。
 ささやかですが、お家にいながらリゾート気分が楽しめます。

メニューイワシのオイル漬け、サザエのクリームパスタ、パン、スパークリングワイン
月見貝の殻 お寿司屋さんでいただいたもの
サザエ蓋物 瀬兵窯(伊万里焼)
小急須 うおがし銘茶「茶・銀座」
ガラス製ブルー大皿 HOYAクリスタル
シャンパングラス RIEDEL vinum(ドイツ)
カトラリーTiffani Boutique(イタリア)
フィギュアガラス製エンゼルフィッシュ(中国)
葉 折鶴蘭の子株
葉の器 ガラス製冷酒杯(中国)
テーブルクロスGENEVIEVE LETHU(フランス)