能登半島地震の発生を受け、石川県金沢市の陶芸作家の今西泰赳(ひろたけ)氏は2月2~4日、被災者支援を目的とした「工芸作家チャリティーオークション」を開催する。
落札金額の全額を「日本赤十字社令和6年能登半島地震災害義援金(石川県、富山県)」へ寄付する。今西氏は友人を中心に声をかけた。しかし石川県には金沢美術工芸大学や九谷焼技術研修所、輪島漆芸技術研修所など工芸を学ぶ学校や施設が多数。そこで学んだ陶芸、ガラス、金工、染織、漆などの70人以上の工芸作家らが趣旨に賛同し、輪が広がった。陶芸では3代仲田錦玉氏、牟田陽日氏や吉村茉莉氏、福島礼子氏ら地元石川在の作家が十数人、東日本大震災時益子で被災した田村一氏(秋田)なども協力する。
入札は競争入札により、より高い金額をつけた人が落札する。1作品に付きひとり1回、複数作品の入札が可能だ。落札者には、作家各自から着払いで作品を発送する仕組み。ただし寄付金控除の対象にはならない。詳細はサイトを参照。
同氏は「本来であれば既存のオークションシステムを使用するのが妥当だと思う。しかし100%寄付できるものが少ない、契約のためには法人または企業である必要など、諸条件から私のホームページ上で行う形に。皆様の善意と信頼の下に成り立っている」と話す。自身も東日本大震災時は筑波で甚大な被害を受けた。今西氏はミトコンドリアを中心とした分子生物学の分野で理学博士を取得、その後陶芸家へ転身、細胞をテーマとした作品を制作する。
訂正:陶業時報2月号1面の紙面で、オークションの日付が2月24日とあったのは、2月2~4日の誤りです。訂正してお詫びいたします。
工芸作家チャリティーオークション