能登半島地震、北陸の工芸産地を襲う

     1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生し、震度7を観測した能登地方の志賀町をはじめ、広範囲で激しい揺れが観測された。

     この地震で被災した地域は、陶磁器や漆器などの工芸産地が集まる地域でもある。珠洲焼の珠洲市、輪島塗の輪島市では最大震度6強、九谷焼の産地(石川県金沢市、小松市、能美市)、高岡銅器の産地(富山県高岡市)、刃物やカトラリーの産地(新潟県燕市、三条市)、では最大震度5強、山中塗の産地(石川県加賀市山中温泉町)では最大震度5弱が観測された。

     被災状況としては輪島塗・五島屋のビルの倒壊が多くのメディアで伝えれているほか、各産地でも建物損壊や商品破損の被害が明らかになってきている。九谷焼産地でも企業のショールームや店舗などで被災しているようだ。九谷焼商社の伊野正峰(能美市)のショールームでは、多くの什器や商品が破損するなどの被害があった(=写真)。

     北陸地方では物流網が大きな被害を受けていることが伝えられており、今後当面は商品などの配送に通常よりも時間がかかることが予想される。また、1~2月は大型見本市・展示会が続く時期だけに、各展への出展状況に影響が出る可能性もある。このような動向を注視していきたい。

    九谷なごみ窯(伊野正峰)の被災の様子
    高額な大物作品も無残な姿に(伊野正峰)

    【1月3日15時更新】(今後、各地の被災状況をこのページでお伝えしていきます)