日本工芸の海外展開を専門とするHULS(東京都・柴田裕介社長)は5月18日、シンガポールの高級商業施設「ミレニアウォーク」内に同国2店舗目の「HULS GALLERY Millenia Walk 店」をオープンした。
「ハルス ギャラリー」は、2017年にシンガポールのダクストンヒルに1号店を開設、陶磁器や漆器、木工品など、日本各地に根ざした工芸品の小売りを中心に、百貨店での販売、同国内のファインダイニング向けの卸しなど、富裕層やビジネスパーソンを中心に、現地の顧客を獲得してきた。また19年には東京赤坂に「HULS GALLERY TOKYO」をオープンし、東京とシンガポールを拠点に、日本の現代工芸品を国内外に幅広く紹介する。
シンガポールでは、玉露や煎茶などの日本茶を好む層の増加から、有田・李荘窯の宝瓶、またギフトでは日本酒の広がりとともに、肥前吉田・副久製陶所「Hana 徳利セット」、備前・DAIKURAの緋襷(ひだすき)のカップ、能作の工作キットなどがロングセラーアイテムにもなっている。約100平方メートルの広さの新店では、ギャラリーの人気定番品である茶器や酒器を中心に、特別な日のためのギフトも充実。日本のミシュランレストランや、ミラノ・ブルガリホテルで採用されている奈良県産のかぶせ茶、京都の竹箸、今治産のオーガニックタオルの取り扱いも開始し、環境に配慮したアイテムなども含めた、商業施設ならではの幅広い顧客向けのラインナップで臨む。
「HULS GALLERY Millenia Walk 店」はベイエリアに位置し、地下鉄MRTプロムナード駅に隣接。施設内には、日系スーパー、日本料理店、米国の電気自動車メーカー「テスラ」のショールームなども入り、富裕層やオフィスワーカーに人気の施設だ。周辺にはザ・リッツ・ カールトンやマンダリンオリエンタル、パン・パシフィックといった高級ホテルが林立、パンデミック後には、多くの観光客の来訪も期待されるエリアとなっている。