雨天でも盛況 工房からの風

「工房からの風」会場入口

 首都圏最大級の野外クラフト展「工房からの風 craft in action」(主催・ニッケコルトンプラザ)が10月25、26日、千葉県市川市のショッピングモール・ニッケコルトンプラザで開催された。

 新人工芸作家の登竜門としても有名な同展の23回目。5万坪の広大なモール敷地の中に神社と鎮守の杜、さらにハーブガーデンのある区画に、陶磁器12人、ガラス8人、ほか木工・漆・染・金属や、布、革などの50以上の工房や作り手が集結、時折小雨が降る天候にも関わらず、ワークショップやイベントにはファンが詰めかけた。

 東京・山野うさぎ氏はクラフト展初参加。うさぎをモチーフとした作品を制作する。オブジェは全陶展入賞の技量、うさぎの毛並みの質感から、表情やしぐさまでも緻密に表現。丸みのあるマグカップや湯呑の胴部に異なる土を用いて表現したうさぎが施されており、「両手でうさぎを包み込むように愛でながら使っていただきたい。より多くの方に『推しうさぎ』と出会っていただけるシリーズ」と山野氏。三重・安藤大悟氏は、土岐出身。多治見で学び、タイルメーカー勤務後に独立。歴史や文化、古代中国への関心からさびを思わせるくすんだ青の釉薬と、鎬(しのぎ)を施したマグやゴブレットを多く展開する。益子、笠間での作陶を経て千葉に帰郷した今井梨絵氏も同展初参加。子育てが一段落したことから同展に臨み、化粧土で彩色したアンティークの風合いを醸した30センチ以上もある大物花器なども披露した。

 このほか、柿灰など地元の原料を中心に用い、新潟焼(仮称)を目指す青人窯(大山育男氏)、陶の装身具や壁掛けを制作するPOTTERY STUDIO K、泥しょう鋳込と、積層させた土を彫り込むという独自の技法を駆使する富山・前川わと氏らは3回目の登場で、人気となっていた。特に目を引いたのは山中漆器の木地師のブランド「しんこきゅう」。堆朱(ついしゅ)杏奈氏が、森の育成と手仕事を未来へ継承することを目指す意欲的なもので、昔ながらの木に合わせたものづくりを基本とし手作業で仕上げる。彼女の発信する明確な意志をもつ作品には、多くの人が足を止めていた。

 同展の稲垣早苗ディレクターは「今回は20代の陶芸作家の出展もあり、従来の陶による工芸品の捉え方が新鮮だった。親しみやすい表現を支える技法が、実は独自に開拓された緻密で手の込んだもので驚きがあった」と同展を総括した。来年第24回は、10月24、25日と決定。募集の詳細は、公式ホームページを参照。