企画展「アナザー・天草」を開催 アナザー・ジャパン

江戸時代から続く窯元を含む4窯の食器をラインナップ。手前が天草陶石

 東京駅前の学生経営による47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」(https://another-japan.shop)で6月8日まで、セトラー企画展「『アナザー・天草』~あなた色に染まる天下無双の白、天草陶石~」が開催されている。

 同展は、日本屈指の磁器の原料で、全国シェア約80%の天草陶石を特集するセトラー企画展。白色度が高く、また粘りがあるため陶石単体で磁器が作れるのも天草陶石ならでは。陶器も含め現在約30の窯元や工房が天草島内で窯業に従事する。

 担当した大分県出身のセトラーで、お茶の水女子大学・堀綾花さんは、白があるからこそ発色する釉薬、白の最高級を突き詰めた磁器、白をあえて汚すという遊び心と、天草陶石の「白」に魅了された。採掘から一貫生産する高浜焼 寿芳窯、白磁に赤海鼠(なまこ)釉の水の平焼、陶器・磁器ともに生産する丸尾焼と、江戸時代から続く3窯のほか、あえて鉄分を加えて陶石を汚す蔵々窯らの食器や酒器に花器、加えて天草陶石の白を生かしたアクセサリーのBLUE HANNAをラインナップ、地元焼酎や農園の花などとともに紹介する。堀さんは「うつわの背景とともに、天草陶石の持つ面白さや、4窯の『白』とのつながりを『新しい発見』として届けられたらうれしい」と話す。

 「アナザー・ジャパン プロジェクト」は、2022年からスタートした三菱地所と中川政七商店(奈良市)の共同企画、28年完成予定のTorch Towerで新たな展開を検討している。学生をセトラー(開拓者)と名づけ、彼らが収支管理・商品セレクト・デザイン・現場オペレーション・接客など、ショップ経営の全てを担う。しかし2期目にして売り上げダウンなどの課題に直面、プロジェクト存続に関わる3年目を成功させようと企画展スタイルの変更に至った。1、2期で実施していた2カ月ごとのエリア別の入れ替え企画を終了し、2期で好評だったセトラー企画「郷土愛×偏愛」特集を進化させた3週間ごとの企画展と47都道府県のこれまでの実績のあった商品を中心に取りそろえた常設展で展開。同ショップは次のステップを見据え、8月11日をもって一時休業する。

アナザー・ジャパン