大阪・関西万博の「ミャクミャク」とのコラボ商品を展開 中川政七商店

販売している4種のオブジェ。左からガラス、鍋島焼、手漉き和紙、錫

 生活雑貨製造販売の中川政七商店(奈良市、千石あや社長)は、大阪・関西万博開催に合わせた特別企画として、公式キャラクター・ミャクミャクとのコラボレーション商品を展開している。同社は100年前の1925年にパリ万国博覧会で麻織物のハンカチーフを出展した経緯もあり、「日本の工芸が再び万博の舞台へ」と話す。

 コラボ企画第1弾として展開しているのは、「ミャクミャク」を工芸作品として表現したオブジェ。「ミャクミャク」が細胞と水がひとつになって誕生したふしぎな生き物というところから着想を得て、「水」にまつわる素材やデザインを取り入れて制作。これまでに発表したのは、「漆のミャクミャク」(漆琳堂、165万円)、「鍋島焼のミャクミャク」(虎仙窯、55万円)、「硝子のミャクミャク」(菅原工芸硝子、19万2500円)、「錫のミャクミャク」(能作、4万9500円)、「手漉き和紙のミャクミャク」(愛媛・和紙工房「りくう」、7万7000円)。

 「鍋島焼のミャクミャク」は、鍋島焼窯元・虎仙窯の作で、高さ25センチ、台座高さ2.5センチ。複雑なミャクミャクの形は、3Dプリンタを駆使しても1つの型では作れないため9つの型に分けて制作。磁器のボディには、青海波、蛸唐草、鱗(うろこ)の文様を手描きした。「パーツの接合が最も困難、大川内山の熟練職人の技を集結した」と虎仙窯の川副隆彦氏は語る。「硝子のミャクミャク」は、型を使わずに職人の感覚だけでミャクミャクの姿を形作った。

 「漆」のみ抽選販売として展開し、現在は受付終了。ほかの4種は、「2025大阪・関西万博 会場内オフィシャルストア 西ゲート店 KINTETSU」のほか、「中川政七商店 近鉄あべのハルカス店」、「中川政七商店 オンラインショップ」で販売しているが、いずれも品薄状態となっている。「鍋島」「硝子」「錫」は現在予約を受け付けている。

 コラボ企画の第2弾は、日本の工芸と遊び心を表現した、だるまや張り子、ふきんや風呂敷といった暮らしの12種類の道具類。陶磁器業界からも3産地のアイテムが入っている。「ミャクミャク豆皿 有田」はヤマト陶磁器によるもので、ミャクミャクを有田焼の伝統的な様式であしらった。「色絵間取」「色絵花鳥」(各2750円)の2種をそろえる。「ミャクミャク豆皿 美濃」は蔵珍窯によるもので、「黄瀬戸」「織部」「志野」(各2750円)の3種。「瀬戸焼のおミャクじ」(1650円)は、瀬戸陶芸社が手がけており、瀬戸焼のミャクミャクの底部のひもを引くと、ミャクミャクからのお告げが表れるというおみくじになっている。「世界が広がる出会いがありそう!」「光り輝く未来が見えてきそう!」といった心が前向きになる言葉が日英表記でつづられている。いずれも「2025大阪・関西万博 会場内オフィシャルストア 西ゲート店 KINTETSU」のみで販売している。

コラボ企画第2弾のラインアップ