遅ればせながら、あけましておめでとうございます。テーブル通信をいつも読んでいただき、誠にありがとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年から寒い日が続いていますね。私が住んでいる九州も雪が降って積もりました。年明け早々の会議に向かう日は路面が凍結して、山越えコースをのろのろと上ったり下ったり、ブレーキを踏まないように気をつけて走っていると、上り坂に差し掛かったところで、私の前を走っていた数台の車が積雪のために先へ進めなくなったためUターンを始めました。雪道には慣れていない私は、「え~っ。こんなところでどうやってターンすればいいのよ!」と大パニックでした。やれやれ、今年はどの様な年になるでしょうか?
昨年の1月号を読んでみると、「今までとは違った暮らし方に挑戦するつもり」とか「新しい自分を作る」とか偉そうなことばかり書いていますが、果たしてそうなったのか・・・?穴があったら入りたいです~。今年の干支・巳年は「復活と再生」を意味するそうで、蛇は脱皮を繰り返して成長することが由来だとか。現代の企業に例えるなら「古い皮(考え)」を脱ぎ捨て、「新しい体(考え)」になり成長していくということでしょうか。私も肉体は衰えていくばかりですが、少しでも新しいことを知り、取り入れつつ、人間として大きくなる(体重じゃございませんのよ・笑)ことを心掛けなければと思います。
今年もいつも通り、玄関には干支の巳の土鈴の置物を飾りました。佐賀県鹿島市の郷土玩具「のごみ人形」です。実は十二支集めておりまして、毎年様々な思いを胸に箱から取り出す時の楽しさ、うれしさ、思い出などがよみがえり、ほのぼのとした作風が気持ちを穏やかに整えてくれます。
1月も半ばとなるこの時期を「女正月(めしょうがつ)」といい、昔は年始や正月行事で忙しかった女性がやっと日常を取り戻し、近所や友人と持ち寄りで集まりをするという習わしがあったそうです。私もそれにあやかり、おつまみだけで楽しむ友人とのおしゃべりの時間を考えてみました。お互いに負担なく気軽にできるのかいいですね。
「気軽」でも、器は新春にふさわしく吟味しました。フラットな形状のプレートに黒の絵の具やラスター彩を塗り、透明な釉薬を吹きかけて焼成したものです。ラスター彩とは、古代メソポタミアで生まれてエジプトやイランに伝播し、さらにスペインにも広がって壺やタイルなど多様なものの装飾に使われました。日本語では「虹彩手」とも呼ばれており、字のごとく虹色にきらめくのが特徴です。この何ともいえない神秘的な輝きが黒真珠のようでもあり、渦巻のような絵具の筆跡が何億光年の宇宙の輝きのようでもあります。この豪華な輝きが、何気ないおつまみを引き立たせてくれるのです。
25センチのプレートにイチゴ(シャンパンに欠かせないと信じている)、さいの目に切った牛タンスモーク、ドライマンゴークリームチーズサンドの3種類とペパーミントの葉をバランスよく盛り付けます。いれこ碗にはポップコーン・ホリデーミックスをいれます。あとはお洒落なナッツクラッカーなどを添えて。シャンパングラスとガラスのピック、白い胡蝶蘭と白いメッシュのランチョンマットが黒真珠色の器を引き立たせています。買ってきたものでもおつまみでも、TPOに合わせて器を選ぶことは重要です。器もごちそうの一部なのですから。
このラスターシリーズは、ほかにパールホワイトとラスターグレーの2色があって、昨年12月の「テーブルウェアフェスティバル」では大人気となりました。美しい器の陰に職人のご苦労を垣間見て、なお一層器に愛を感じる今日この頃です。
メニュー | イチゴ、牛タンスモーク、マンゴークリームチーズサンド、ミント、ポップコーン、ボックス入りナッツクラッカー |
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器 |
パールブラック プレート(L) 浜陶(波佐見焼) パールブラック いれこ碗(中) 浜陶(波佐見焼) シャンパントール コンランショップ(東京) |
カトラリーなど | ガラスピック スガハラ(東京) |
ランチョンマット | メッシュランチョンマット チルウィッチ(アメリカ) |