国際陶磁器フェスティバル美濃、10月17日に開幕

 世界最大級の陶磁器の祭典「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」が10月18日~11月17日の1カ月間、岐阜県多治見市のセラミックパークMINOをメイン会場として開催される。現在、前売券として4市内の美術館など7施設が利用できる「7館入場セット券」(1200円、当日券は1500円。いずれも税込み)が対象施設と全国の主要コンビニエンスストアで販売中。

 同フェスは、1986年から3年に1度、多治見市・土岐市・瑞浪市・可児市の4市にまたがる美濃焼産地を舞台に、さまざまな事業や企画が繰り広げられる一大イベント。「土と炎の国際交流」をメインテーマに、陶磁器のデザインと文化の国際的な交流を通じて、さらなる陶磁器産業の発展と文化の高揚を目指すことを目的としている。2021年に開催された前回は、20年に開催予定だったところ、コロナ禍の影響で1年延期され、会期や開催規模が縮小されての開催だったが、13回目となる今回は従来と同様の規模に戻しての開催となる。また、これまでの会期は9~10月とするのが定例だったが、今回の会期は1カ月後ろ倒しされた。

 同フェスの名誉総裁には、このほど秋篠宮家の次女佳子さまの就任が決まった。これまで開かれた12回はいずれも皇族が名誉総裁を務めており、前回までは姉の小室眞子さんが務めていたが、眞子さんが結婚を機に皇籍を離脱したことから、佳子さまがそれを引き継ぐ形となった。佳子さまは開会前日の10月17日にメインイベント「第13回国際陶磁器展美濃」を鑑賞し、翌18日は開会式に臨席する予定。

 同フェスのメインイベント「第13回国際陶磁器展美濃」では「やきものの未来」をテーマに公募を行ったところ、過去最多の77の国・地域の2128人から3890点の応募があり、1次・2次審査を経て203作品が入選。そこからさらに最終審査会を行って入賞作品21点を選出し、グランプリのほか金賞1点、銀賞3点、銅賞4点、審査員特別賞10点、坂﨑重雄セラミック賞2点を決定した。グランプリはフランス在住のウクライナ人・イエリザベタ・ポートノヴァ氏の「Kiln(キルン)」(陶芸部門)が、金賞は金沢市のプロダクトデザインなどを展開する企業・雪花(せっか)の柳井友一氏による作品「AMU(アム)」がそれぞれ獲得した。会期中のイベント会場では入賞作品を含む203作品が展示される予定だ。

 同フェスではこのほか、オープニング記念事業として初日(10月18日)に審査員トークセッション、清川廣樹氏による金継ぎに関するさまざまなイベント(同19、20日)、佐藤卓氏による講演会(同19日)、鈴木夏織氏による美濃焼オカリナコンサート(20日)が予定されている。展覧会としては、「アール・ブリュット美濃展」(10月18~30日)、第9回専攻科陶芸展(10月18~30日)、多治見市陶磁器意匠研究所展(11月1~5日)、「美濃焼展(セラミックバレー展)」(フェスと同会期)、フラワーアレンジメントコンテスト(11月2~17日)を開催。演奏・体験企画としては、地元愛好家によるオカリナ・セラリーナ演奏会(会期中の土日祝日の午後)、薪窯陶芸体験プログラム「薪窯をつくる、薪窯でやく」を開催。レストラン・カフェでは「美濃Re(みのり)ランチ/カフェ」(フェスと同会期)、お茶会「美濃焼の茶碗で一服」(毎週土日祝日)が予定されている。さらに、「Ways of Earth ハンガリー・日本陶芸作家交流展」(フェスと同会期)、「第26回美濃茶盌展」(11月8~17日)、「プレ・セラミックバレークラフトキャンプ多治見」(11月9日)を開催する。
 各イベントなどの詳細は公式ウェブサイトを参照。

前売券で利用できる7施設

  • 「第13回国際陶磁器展美濃」(セラミックパークMINO)
  • 岐阜県現代陶芸美術館
  • 多治見市美濃焼ミュージアム
  • 多治見市モザイクタイルミュージアム
  • 瑞浪市陶磁資料館
  • 土岐市美濃焼伝統産業会館
  • 荒川豊蔵資料館
国際陶磁器フェスティバル美濃'24