京都市及び京都伝統産業ミュージアム(京都産業振興センター)は12月8日、ロームシアター京都で「京ものユースコンペティション2023」の受賞者発表と表彰式を実施した。
現代のライフスタイルに適した「京もの」の作品コンペを通じて、京都の伝統産業に携わる若手人材を支援するもので、京焼・清水焼、京漆器、西陣織、京仏具など11業種に従事する44歳以下が応募対象。昨年のテーマ「くらしの工芸」には13人が応募し、その中から、グランプリ(賞金10万円)、準グランプリ(同5万円)の2人を選定、表彰した。
グランプリに輝いたのは「京菓子司 金谷正廣」6代目の金谷亘氏の京焼・清水焼を活用した作品で「flat plate Kyoto」(関連サイト参照)。同氏は、コロナ禍のステイホーム期間中、自宅で茶を楽しむ様子をアップしたSNS投稿を見て、場所や状況が変わっても「お茶を飲んでお菓子を食べることは楽しい」ということを改めて認識し、テーブルで菓子を美しく盛れる皿を六兵衛窯・清水宏章氏とコラボして商品化したもの。持ち運びやすさや、菓子の艶を邪魔しないよう半マットな釉薬を使用している。六兵衛窯は江戸時代後期に五条で開窯、宏章氏は当代8代の息子。また準グランプリは大徳寺納豆を使用した京菓子職人が選ばれた。
同コンペは2013年からスタート。表彰者には首都圏での展示販売や販路開拓へのネットワークづくりなど、将来の販売につながる幅広い支援を行う。また選定委員にはカルチュア・コンビニエンス・クラブの上田元治氏、スプリングショウ代表でSIONEを主宰するSHOWKO氏、ビームスの鈴木修司氏の3人が務めた。
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