「STUDIO 894」開設 瀬戸市の中外陶園

「STUDIO 894」の外観

 瀬戸の縁起置物メーカー、中外陶園(鈴木康浩社長)は9月7日、やきもの体験型複合施設「STUDIO 894(ヤクシ)」を瀬戸市薬師町にオープンした。

 同施設は同社が運営する「招き猫ミュージアム」の道路を挟んだ向かいに位置。大きな窓と庭のある平屋建て約60平方メートルのオープンな空間で、「体験する」「鑑賞する」「憩う」がテーマ。施設の中核を担うワークショップスペースでは、絵付け体験を毎日開催する。招き猫を中心に、開運や招福の季節飾りなどの素地に絵付けを施し、世界に一つだけのやきもの作りが楽しめる。

 このほか国内外で活躍するアーティストの個展やプロジェクトの展示を行うギャラリー、東京・三軒茶屋と広島を拠点にしているスペシャルティコーヒーの専門店の監修によるコーヒースタンド、招き猫をはじめ、マグカップ、コーヒースタンドで提供するオリジナルコーヒーなど、施設限定アイテムを扱う販売スタンドで構成する。なおギャラリーではイラストレーター・てらおかなつみ氏の個展「犬の絵展」を10月29日まで開催している。

 同社は1952年の創業、「薬師窯」として干支置物、招き猫など、縁起置物を中心に社内で企画・デザインから製造まで一貫生産を行う。昨年中川政七商店のコンサルティングによる新プロダクト「SETOMANEKI」を、大日本市で発表した。

 鈴木社長は「施設全体がコミュニケーションの場となることで街のにぎわいを創出し、瀬戸のやきものの多様さを体感できる空間となることを目指す。ここをひとつのきっかけに瀬戸を訪れ、街の空気や人とのふれあいなど、新たな瀬戸の魅力を発見してもらえたら嬉しい」と述べる。