古代メキシコの3つの文明

戦士の土偶 (左)、捕虜かシャーマンの土偶 (右) メキシコ国立人類学博物館蔵

 特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」が、東京・上野の東京国立博物館で、9月3日まで開催されている。

 紀元前15世紀~後16世紀のスペイン侵攻まで、3千年以上にわたり繁栄したメキシコの古代文明。その中から「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点を当てる展覧会だ。メキシコには35もの世界遺産があり、アメリカの近隣諸国をはじめ世界各地から、多くの観光客が訪れている。中でも高い人気を誇るのがこれらの古代都市の遺跡群だという。

 同展ではメキシコ国内の主要博物館から厳選した古代メキシコの至宝約140件を展示。また近年の発掘調査の成果も交えて紹介されている。展示品の多くは岩や石、土から作られ、土器も多い。「太陽」「月」「羽毛の蛇」の3大ピラミッドを含む巨大な都市構造を築いたテオティワカン文明からは、太陽のピラミッドの近くから出土した「死のディスク石彫」や、貝の装飾が施された「鳥形土器」などが並ぶ。

 暦や文字など高度な知識を有する王や貴族が中心となって、巧みに戦争と交易を行ったマヤ文明では、マヤ世界に生きた人々をかたどった土偶が興味深い。支配者や貴婦人ばかりでなく、シャーマンや戦士、球技をする人から道化まで、さまざまな土偶が、かつて栄えた文明について語りかけてくる。また彩色土器の絵柄からは、当時の知識や世界観も知ることができる。軍事力を誇ったアステカ文明からは、高さ170㌢の戦士を表現した土製の「鷲の戦士像」や、豊穣をもたらす雨の神「トラロク神の壺」などを出展。

 見どころとされるのが「マヤ」のコーナーの通称「赤の女王」の出土品。本邦初公開だ。赤の女王の墓をイメージした臨場感たっぷりの展示空間も面白い。

東京国立博物館