1期生の最終企画展 アナザー・ジャパンの「アナザー・チュウゴク」

砥部焼「すこし屋」の食器

 東京駅前の学生経営による47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」で、第6回企画展「アナザー・チュウゴク」が6月7日~8月6日に開催された。アナザー・ジャパンプロジェクトの第1期生による最後の企画展となった。

 同展は中国地方5県(岡山、広島、山口、鳥取、島根)と四国地方4県(香川、愛媛、高知、徳島)から構成。瀬戸内海で隔てられる2地方を、島巡りや遍路巡りなど、場所を「巡る」だけでなく、全国から注目される取り組みも新しい「巡り」とし、それらを感じられる約400点をラインアップした。

 セトラー山本幸歩さん(慶應義塾大学)は、再生備前焼ブランド「the continue.」(岡山)を同県出身者として一番にあげる。マグカップ、新作のロックグラス2種をセレクトする。香川出身の藤田玲音さん(東京外国語大学)は、砥部焼の「すこし屋」(松田窯、愛媛)を推す。食器類を特集するコーナーでは、砥部伝統模様を踏まえたすこし屋の現代的な柄行と、庵治(あじ)石とオリーブの枝葉を溶かして青と緑を発色した「AJI Glass」(香川)が並び、北欧食器のような雰囲気に。このほか袖師窯(島根)、石州瓦・亀谷窯業(同)の瓦食器、萩焼からは金子司氏と松光山(しょうこうざん)などをラインアップする。「店内ツアー」も開始時間に気が乗ればという、事前予約不要なラフなスタイルで実施。初日には美大の学生らの訪問もあった。

 同プロジェクトは、三菱地所と中川政七商店(奈良市)の共同プロジェクト。「将来自分の働く場所として、地元を選択肢の1つにする」を掲げ、地方活性化に取り組む。第2期生の選定は終わり、3月から研修に入っている。8月9日から、その第2期生が2年目の店舗をスタートする。

アナザー・ジャパン