九州発!田中ゆかりのテーブル通信[35]8月:たまには、お洒落なアペリティフタイムで夕涼み

シャンパン or ワイン、イチジク、チーズ(ブルサン・ガーリック&ハーブ)、ベビーリーフ

 今月もうだるような毎日。それでも朝起きたら、寝室、リビング、キッチンの窓と玄関の戸をあけ放ち、新鮮な空気を部屋の中へ。深呼吸してみます。やはり静かな朝の清浄な空気はおいしいですね。

 ふと、玄関の鉢に目をやると、涼しげな水の中を銀色と赤色のメダカが泳いでいます。鉢は有田焼の染付で直径が34センチ、高さが16センチの大鉢、たっぷりの水と藻を浮かべて。朝のお仕事はまず、安否確認。1匹、2匹、3匹と数を数えながら餌をやります。最近は卵からかえった赤ちゃんもいて観察も楽しくなってきました。けれども、もうこの時点ですでに体が汗ばんでおり、植物や庭の手入れも気が進まず、ああ、今日も思いやられるなぁ~とつぶやかずにはいられません。

 こんな毎日の楽しみは、やはりエアコンの効いたお部屋にて家族で囲む夕食でしょうか。コロナがなければ仕事帰りにビアガーデンも楽しそうですが、ここ数年はご無沙汰です。しかし、夏の夕食づくりは火を使う関係上、キッチンはエアコンなど関係なしに高温になります。ご飯は土鍋で炊きますので、蒸らし時間も考えて先に炊き、そのあと3つのコンロを駆使してお汁物やその他のおかずをほぼ同時仕上げになるよう心がけていますが(夫はそれを理解してくれているかどうかは分かりませんが)天ぷらとか煮つけとかリクエストされると、「暑くて勘弁して~」と思うときも。

 私のいる九州では日が落ちるのが遅く、だいたい夜7時半ぐらいまでは明るく感じます。夕方になってもなかなか気温が下がらないこの頃ですが、夕涼みもかねてテラスの植木鉢などに水やりをしてから夕食づくり。今回は、とてもお洒落なお皿を見つけました。端正な隅切りの長角皿は柔らかな色の違うマットな釉薬を2方向から掛け分けて、釉が重なったところも発色し3色に。この優しい色合いと景色を見ながらアペリティフ(食前酒)を楽しむお皿と考えました。ほんの少しゆっくりと時間が流れます。

 お好みのシャンパンやワインをキンキンに冷やし、お皿に合わせてスタイリッシュなシャンパングラスを合わせます。このグラスの形は色のきれいなカクテルなどを入れても絵になります。あとは、火を使わない、味や食感の違うおつまみを3種類ほど前述のお皿に並べるだけ。アダムとイブの禁断の実とされているイチジクは「無花果」と書きますが、実の中に花が咲いていてカットすると断面に無数の花を見ることができます。独特の味わいがあり、生、サラダ、コンポート、天ぷらと多彩に楽しめるので、これから秋まで店頭に並ぶとつい手に取ってしまいます。水溶性ペクチンという食物繊維を多く含むので腸の活動を活発にします。チーズはブルサンのガーリック&ハーブ(パセリやチャイブのみじん切り入り)。濃厚でなめらかなフレッシュチーズで私のお気に入りです。ワインとともにバケットやクラッカーに載せて食べるのが大好きです。お口直しにベビーリーフを添えて。仕上げにブラックペッパーとオリーブオイルをかけたら出来上がり。器とおそろいの色調のレストもさりげなくていいですね。

 どうぞ、お洒落なアペリティフタイムで夕涼みを。

メニューシャンパン or ワイン、イチジク、チーズ(ブルサン・ガーリック&ハーブ)、ベビーリーフ
ハーフマット長皿L(ベージュ&グレー) 永峰窯(波佐見焼)
ハーフマット長皿L(ミントブルー&グレー) 永峰窯(波佐見焼)
レスト(グレー) 永峰窯(波佐見焼)
レスト(ミントブルー) 永峰窯(波佐見焼)
シャンパングラス コンランショップ(東京)
カトラリーフォーク MEPRA(イタリア)
メダカ鉢染付波桜紋大深鉢 しん窯(有田焼)