来場者がコロナ前と同じ2万4千人に にわのわアート&クラフトフェア・チバ

「うつわやみたす」のテントにできた長蛇の列

 千葉県最大級の屋外マーケット「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」(主催・同実行委員会)が6月4、5日、千葉県・佐倉市の佐倉城址公園本丸跡地で3年ぶりにリアル開催された。

 参加は全84組(陶磁器30、ガラス9、木工・漆15)と、感染対策のためこれまでの1割強を減、さらに電子チケットを導入した。実行委員は「コロナ禍で世の中が一変。健全な運営のために要入場料としてきたが、これらを含めて全てを再検討し、今回に臨んだ。作り手は電子決済に慣れており、eチケットも予想以上に問題がなく安堵した」と話した。

 コロナ禍以前も整理券形式で販売する地元千葉の夫婦作家「うつわやみたす」、望月万里・優美の夫妻(岡山)のテントは、これまで同様に大人気、人が絶えない。今回初参加した樋口佳子氏は、成田在住。有田窯業大学校で学び、加飾の伝統工芸士、岩永純氏に師事、現在も定期的に同氏に教えを乞うている。「古伊万里に憧れて」というように、くすんだ青味がかったぽってりとした生地に、伝統紋と枝の上のネコ、パステルカラーのさまざまなキノコと、楽しい絵を描く。用意した約200個の蕎麦猪口は、2日目午後1時ごろには完売となった。

 このほか、笠間の額賀章夫氏に師事した斎藤恵子氏は、パッチワークのようなポップなマグなどの食器のほかに立体の作品を手掛ける。多様な釉薬に、動植物などの愉快で楽しい絵付けを行う埼玉・小峰美省氏は、食器、陶板、オブジェなどに絵本の挿絵のような表情豊かな動物の作品がならぶ。福島・キダサトコ氏のりんごや動物モチーフなど、ビビッドな加飾が見られた。タイルなどのアート作品の高木沙季氏、陶の装身具を制作する金子ひとみ氏は、昨年から取り組む、壁掛けも紹介。「楽しい」「元気」「絵付け」「動植物」「部屋を飾る」といったハッシュタグが浮かぶような彼女たちのテントには、閉塞感からの解放感を味わう気分が溢れていた。

 「2019年と同様の約2万4千人の来場者を迎えられた。コロナ禍を経て、日常にアートやクラフトで彩りを添えるという考え方の浸透、手応えを感じた。作り手からは過去最高の売り上げとの声もあり、うれしい限り」と実行委員は総括した。

 同フェアは12年にプレ開催、19年まで毎年同時期に、千葉をキーワードに作り手を募集して実施してきた。コロナ以前の来場者数は2万人以上と、千葉県最大級のフェアだ。

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ