デザインプロデュースを行うセメントプロデュースデザイン(大阪市)はこのほど、日本と台湾のプロジェクト「福虎添藝(フーフーテンイー)」から、ビアタンブラーとクラフトビールを発売した。
「福虎添藝」は大堀相馬焼と台湾ビールメーカー・臺虎精釀(タイフーブルーイング)との共同開発プロジェクト。セメントプロデュース直営の「東京コトモノミチ at Tokyo」で2月に記者発表会を開き、台湾、大堀相馬焼窯元、東京をオンラインで繋ぎ、同時発表した。「福虎添藝」という名前は、福島県の「福」、臺虎の「虎」、互いが「藝」を高め合うことから命名し、ロゴは大堀の「走り駒」と臺虎のロゴに表されている瓢箪と虎がモチーフ。発表されたタンブラーは保温・保冷効果のある2重構造に、香りを際立たせる瓢箪フォルム。いずれもろくろ成形、釉薬も馬と虎をテーマに、両者の「共走」をデザインに落とし込んだ。
参加は4窯。「あさか野窯」(志賀喜宏氏)は、内が無釉、胴部に茶に黒の横縞で、二重焼に必要な穴がないのが大きな特徴。「陶徳窯」(陶正徳氏)は、青ひび釉から開発したオリジナル釉薬を含む複数釉に、墨入れ技法なども用いた手間暇の逸品。「いかりや商店」(山田慎一氏)は、独自の「白相馬」をベースにタンブラーの上部にヒワ呉須、中央に臺虎をイメージしたブルーのラインを入れた。「京月窯」(近藤京子氏)は、「紫彩」と「天平の甍」の2つのオリジナル釉を掛け合わせ、縦に流れる釉で虎と馬の毛並みを表す。
国内での販売はコトモノミチのネットショップ(https://coto-mono-michi.jp)、東京と大阪の両リアル店舗のほか、東京神楽坂・臺虎の直営店「タイフートーキョー」。麹菌を使ったクラフトビールは4月上旬に発売した。
「福虎添藝」は「ふくしまみらいチャレンジプロジェクト」の一環で、昨年度の大堀相馬焼企画展「ひびのもよう」に続くもの。今年度は海外進出をテーマに、台湾デザイン研究院が協力。また臺虎は2013年創業の台湾を牽引するクラフトビールメーカーで、20年に日本上陸。「みらいチャレンジ」は経済産業省による事業で、ジェイアール東日本企画が受託運営する。震災11年目となる3月11には、東京駅構内で「ふくしまの逸品フェア」を実施し、大堀相馬焼もならんだ。