先日、何気なくテレビのスイッチを入れると、カレーライスがテーマの番組でした。「お宅のカレーライスは牛肉ですか?豚肉ですか?」というもので、いろいろな町でたくさんの人にインタビューをしていました。キッチンにいて作業しながらで、じっくり見ていたわけではなかったのですが、今まで牛肉が当たり前と思っていた私は、「へ~っ、結構豚肉の人もいるのね」と思ったのでした。すね肉やすじ肉を煮込み、赤ワインを加え、ややビーフシチュー的なこってりしたカレーが好きなのです。読者の皆様はいかがですか?「何肉でもよかろうもん」と思っているでしょう?でも、番組が進行していくにつれ、だんだんあることがわかってきました。三重県桑名市長島町を境に西日本は牛肉、東日本は豚肉に分かれていたのです。この町は古くから様々な東西文化が交流する場所だったそうです。面白いですね。
個人的には、最近はシーフードカレーがブームです。できれば有頭海老、ホタテ、できれば新鮮な小イカ、あさりなどを入れて煮込んだだけなのですが、魚介の旨みが複雑に絡み合って、軽めなのにとても美味しく感じます。カレーはインドが発祥ですが、日本では独自のカレーとなり、国民食と言ってもいいくらい食べられていますね。
今月から夏休みが始まりますが、相変わらずコロナウイルスが猛威を振るい、お出かけもままなりません。そこで今回は、お子さんやお孫さんに食卓を通して夏の思い出を作るためにも、遊びを取り入れたリゾート感覚のテーブルをご紹介します。
テーマは海、メインは普段脇役となっている箸置きです。よく見るとペンギンやマンタ、クジラやジンベエザメお箸やスプーンを乗せるにはもったいないくらいの出来栄え。これをテーブルのフィギュアとして飾ります。シャコガイはダイビングをする友人からもらったもので、水をためてオリズルランの子株を生けます。海底に漂う海藻のイメージで。サラダのように見えているのは太刀魚のカルパッチョ、ブルーのガラスのお皿は、沖縄の海の色です。沖縄を訪ねた時に購入しました。沖縄ガラスは明治時代に始まったそうですが、戦後の原料がない時期は米軍からもらってきたコーラの瓶を溶かして作ったと聞きました。これが再生宙吹きガラスの始まりです。その時はそれを知って何とも言えない気持ちになり、せっかく来たのだから記念にと求めたものでしたが、今はカナッペやテリーヌを乗せてフィンガーフードのお皿として大活躍しています。グラスはお気に入りの切子なのですが、カットの模様が私にはパイナップルに見えて仕方がありません。無理やり合わせてみました。オホホ。
白磁のお皿は、さりげないしのぎの模様が爽やかに感じます。どんなお皿も器一杯に盛り付けると暑苦しく感じますので、ここでは余白も大切に。先ほどお話したシーフードカレーには薬味を添えて。テーブルクロスはできるだけ薄手の涼やかな雰囲気のものを選びます。実は、写真のものはカーテン生地で作ったものです。生地屋さんで好きなファブリックを見つけたら、購入してお手製にもしますが、生地がヤール幅(約91センチ)のものですと、大きなテーブルの場合はどうしてもつなぎ目ができてしまいます。それがカーテン生地だと幅が広く、つなぎ目を入れる必要がないので助かるのです。お子さんやお孫さん向けには、可愛らしいデザインのビニールや紙製のランチョンマットやテーブルクロスを選ぶと、もしかしたらお行儀よく食べてくれるかもしれませんね。小さな箸置きも見直してみましょう。
メニュー | 太刀魚のカルパッチョ、シーフードカレー(薬味 ラッキョウ・オリーブ・福神漬け)、白ワイン |
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器 | 海の動物箸置き 北川美宣堂(有田) 白磁鎬尺皿(31センチ) 草山窯(有田) 沖縄宙吹きガラス(29センチ) 稲嶺盛吉氏(沖縄) カクテルグラス 木村硝子(東京) タンブラー 木村硝子(東京) |
カトラリー | クチポール(ポルトガル) |
花 | 花 オリヅルラン シャコガイ ダイバーの友人より |
テーブルクロス | カーテン生地 不詳 |