九州発!田中ゆかりのテーブル通信[20]5月:クリエイティブ手巻きずしのススメ

手巻きずし:タイ、マグロ、ブリ、イカ、エビ、サーモン、アナゴ、イクラ、ネギトロ、卵焼、カニ缶、納豆

 今年のゴールデンウイークもどこにもいかず家で断捨離をすると張り切って決めてはいたものの、いざ始めてみると一向に作業が進まないのです。私はみずがめ座で「みずがめ」の中にため込む性格なのか、たまりにたまっていました。お金ではなくたくさんの器が。しかし、その器一つ一つの思い出に浸っているうちにゴールデンウイークは、あっという間に過ぎ去っていったのでした。いつものパターンです。

 そんな器の中から、今月は私流クリエイティブ手巻きずしをご紹介します。
 お寿司といえば、私の子供の頃はお客様の時にお寿司屋さんから家に届けられる贅沢なご馳走で、子どもは巻きと稲荷、大人はワサビのきいた握りといったイメージでした。大人になって回転ずしが出現してからは、手軽で便利で美味しくて、子どもも楽しめる人気のメニューとなったのは、ご存知の通りです。しかし、このコロナ禍では外食もままならず、テイクアウトメニューも増えましたが、単調にならないようにできるだけお家で工夫して過ごしたいものです。
 クリエイティブ手巻きずしとは、自分で好きなネタで好きな味付けを発見し、マイペースで楽しむスタイルです。私はお酒を味わいながら色々とつまみたいタイプ。いきなりすし飯をのり巻きにするとお腹がすぐいっぱいになってしまうので、まずはネタをお刺身で食べながら、ぼちぼちと。焼のりは小さめのものを準備します。たくさんご飯を食べないように(オホホッ)。夫はお酒よりご飯を食べたいので早速巻いてといった感じです。

 ネタは種類がたくさんあるとより楽しいですね。白身、赤身、青物、エビ、イカ、クジラ(九州人好み)、卵焼き、ウナギやアナゴ、イクラ、シラス、山芋、大葉、梅、たくあん、キュウリ、カニ缶、シーチキン、納豆、コーン、たたきオクラなどなど、なんでもござれ。これらをすべて抱きしめてくれるのが大皿です。皿に彩りよく盛り合わせるとなんとも豪華に映ります。写真の直径33センチの大皿は、かつての有田陶器市で求めたものです。有田では珍しく、厚みがある陶器で白化粧を施し表面に青海波を描いたもので、魚を盛るにはぴったりです。味付けの方もしょうゆばかりではなく、塩や山椒、ワサビや胡麻、マヨネーズ、バジルソース、大葉など種類も取りそろえて好きな味付けを発見するのです。ガリも忘れずに。いろいろな味が口の中で混ざってもスッキリと整えてくれますよ。小皿にそれぞれ用意しても良いのですが、テーブルが複雑にならないように今回は魯山人写しの六品盛を選びました。縦14センチ、横20.5センチ、に6つの升のようなしきりがあり、赤と呉須の縁取りが鮮やかです。深さが2センチほどありますので、本来は珍味や小さなおかずを盛りますが、家にいながら料亭気分が味わえるという、そんな器です。
 やはりここでは日本酒を飲みたい気分です。5月も半ばで気温も高くなり、冷酒で爽やかにラリックのグラスで。1920年ごろの作品で確か「tokyo」というシリーズ名だったと記憶しています。これは和食器とも大変相性が良く、使っていて100年前のものとはとても思えません。良いものは変わらず、という世界でしょうか。

 「自分で好きなように」という方式は、実は、おもてなしのときにも大変便利です。準備さえバッチリしておけば、もてなす側の私もお客様と一緒に楽しむことができます。あとは、前菜のモズクと温かいお吸い物があると完璧!と思っているのですが、コロナが恨めしいですね。それでは皆様、今月もお元気でお過ごしください。

メニュー手巻きずし:タイ、マグロ、ブリ、イカ、エビ、サーモン、アナゴ、イクラ、ネギトロ、卵焼、カニ缶、納豆
粉引青海波大皿 福珠陶苑(有田)
赤呉須六品盛 草山窯(有田)
刷毛中付 中川自然坊窯・中川憲一作(唐津)
朝鮮唐津小付 汲古窯・峰松義人作(唐津)
斑唐津片口小付 汲古窯・峰松義人作(唐津)
リキュールグラス ルネラリック(フランス)
竹箸 山下工芸(大分)
きゅうり箸置き メーカー不明(大分のお土産屋で購入)