「根津美術館の国宝・重要文化財」が開催中

 財団創立80周年記念特別展 「根津美術館の国宝・重要文化財」が、東京・港区の根津美術館で12月20日まで開催されている。初代根津嘉一郎氏が収集した日本や東洋の古美術品を公開し、未来に継承するために、二代根津嘉一郎氏が創設した同館。尾形光琳の「燕子花図屏風」をはじめ7点の国宝と88点の重要文化財を所蔵しており、今回の記念展では95点すべてを披露する(会期中、一部作品の展示替えあり)。
 初代嘉一郎氏が晩年に親しんだといわれる茶の湯の道具も展示。野々村仁清の「色絵山寺図茶壺」は、江戸時代、中国から輸入された褐色の釉がかかった茶壺の形をベースに華やかな色絵と金銀彩を施し、肩の耳を3つにするなど、独特の表現がみられる作品である。また、柴田勝家が織田信長から贈られたという「青井戸茶碗 銘 柴田」は総体的なビワ色のなかに青味を表現。高台から口縁まで直線的に開き、胴に際立つロクロ目のある形状が、青井戸としては最も整った作品であるといわれている。
 そのほか、5枚の皿に四季の風物を描いた、尾形光琳の弟、乾山の「銹絵染付金彩絵替土器皿」など、見応えのある作品が多数そろう。
 現在はコロナ対策のため、入館は日時指定予約制となっている。詳細は、公式サイトを参照。

重要文化財「青井戸茶碗 銘 柴田」朝鮮・朝鮮時代 16世紀 根津美術館蔵
根津美術館公式サイト