美濃焼産地の有志が「美濃焼オンライン陶器市」を開催

 美濃焼産地の有志による「高志会」(井澤秀哉会長)が「美濃焼オンライン陶器市」を10月17日に立ち上げ、25日まで開催している。
 新型コロナウイルスの影響で陶器祭りなどのイベントが中止となる中で、少しでも販売機会を増やそうと、岐阜県の補助金を受けて立ち上げた企画。美濃焼ならではのバリエーション豊富なアイテムをそろえるほか、100円均一、300円均一、アウトレット品といった値打ち価格の商品から、工芸品や骨董品といった貴重な一品物まで、幅広いジャンルの商品・作品を展開している。工芸品では蔵珍窯のラインアップ、骨董品では国宝作家、故・加藤卓男氏の真骨頂である三彩の作品群などもならび、日常の食器を求める人から収集家まで注目の「陶器市」サイトとなっている。サイトでは「主婦目線にこだわった超軽量食器」「温度で絵柄が変化する季節を感じる商品」などといった切り口のシリーズをPRするほか、「お惣菜の10倍美味しく見せる食器」という企画では食材の盛り付け例を紹介し、食器の楽しさを訴求している。最後の3日間(23~25日)にはタイムセールが行われる。会期中の購入商品は陶器市終了後の26日から発送される予定だ。
 同サイトを運営する「高志会」は、多治見市の商社、井澤コーポレーションの井澤秀哉社長を中心とする地元の有志が集って2013年に発足。メンバーは現在13人で、丸新製陶、丸モ高木陶器といった食器関連を展開する企業のほか、タイル、石膏型、転写印刷、箱、電気炉、窯業原料といった関連業種からも参加。月1回会合を開きながら、美濃の地場産業発展のために精力的に活動を続けている。2019年10月に多治見美濃焼卸センターで催された「たじみ茶碗まつり」では、カジュアルな茶会企画「ノダテマーケット」を催した。来年に向けて新たなクラフトイベントも計画しているという。井澤会長は「このようなイベントを通じて美濃全体の価値や知名度を上げ、地場産業を盛り上げていきたい」と意欲をみせる。

美濃焼オンライン陶器市