創業88周年の新作展示会 菅原工芸硝子

 ハンドメードガラス製造の菅原工芸硝子(千葉県、菅原裕輔社長)は2月28日~3月3日、東京表参道の直営店「スガハラショップ青山」で新製品展示会を開催。今年は同社創業88周年であることから、サブテーマ「想いをつなぐ、硝子のうつわ」を掲げ、新作22シリーズ、色サイズ展開を含める100アイテム以上を披露した。
 伝統工芸士でもある松浦健司開発部長は「年1回の新作展示会。職人にとって開発、商品化、発表は仕事のモチベーションを高める最大の機会」と述べる。同社では毎月開かれる職人ミーティングを経て新作群は生まれている。店内中央では食空間プロデューサー山本侑貴子氏による新作を使ったテーブルコーディネートが飾られた。
 一番人気は松浦氏デザインで、縁が溶けた硝子の表情の「メル」。型吹きでは難しい浅い食器を目指し、吹いた直後に焼き切るという発想にたどり着いた。ボウルやプレート類2色、5アイテムからなる。「のぞみ」は自身の名前を冠した若手女性職人の初採用となったオールドグラス。底にゆるやかに波打つガラスの溜まりが特徴、シンプルなフォルムとガラスの柔らかさのマッチがハンドメードならではの味を生んでいる。
 新作にはQRコードが示され、動画共有サイト「YouTube」で作り手自身が語るデザインストーリー、思いが閲覧可能のほか、購入商品にもQRコード付きのカードを添えている。また招待状持参客には、新作を使用した菓子と飲み物を用意。「使い心地を示せることが何よりも勝る」と松浦氏。日々の新型コロナウィルス感染者、同対策で学校休校、テレワーク導入などで不安感の中、例年の7割程度というが店内に客足の途切れはなかった。
 九十九里の工房ツアー招待(抽選、6月開催)のほか限定箸置きのプレゼント企画を記念企画として実施した。