日本工芸を扱うギャラリーショップを運営するHULS(柴田裕介社長)は1月6~25日、東京・赤坂の「HULS Gallery Tokyo」で「徳幸窯 ハレの器展」を開催している。
有田・徳幸窯は1865年創業、創業当時は花瓶や火鉢などの大物磁器の製造を行なっていたが、戦後は有田でいち早く割烹料理向けの食器を手掛け、業務用食器の市場を開拓した。高い転写技術による華やかな器を製作する一方、近年は海外トップシェフらの要望に応えたオリジナル食器の開発にも挑戦する。同展では新春企画として幸せへの願いが込められた、七宝、打出の小槌などの吉祥文様の蓋物のほか、カップ&ソーサーなど約80点を展示。さらに徳幸窯次男の徳永榮二郎氏の炭化焼成による抹茶碗や酒器、湯呑み、マグといった日常食器を含む約200点の作品展も同時開催する。
榮二郎氏は京都嵯峨美術大学、京都府立陶工技術専門校で学び、足掛け10年間の修行を経て2005年、同窯のロクロ師となった。2年前に同社シンガポールのギャラリーで榮二郎氏個展を企画、抹茶碗を中心に高い評価を受けたという。「作家の個性に、職人のもつエッセンスが同氏の作品には感じられ、親しみやすい」と同社スタッフは話した。
4月には同ギャラリー常設で伝統工芸士の常滑・伊藤成二氏の茶器と、同氏が中心となって進める常滑焼の新たな可能性を探る「盤プロジェクト」商品の企画展を計画する。