日本料理の「おもてなし」を掘り下げる 「日本料理の支配人」

 2020年東京五輪誘致の際に世界に広まった言葉「おもてなし」。日本料理における「おもてなし」を考えるときに理解しておくべき文化的側面や、料理屋の支配人が知っておくべき実務などの知識を網羅した「スタッフを育て、売上げを伸ばす 日本料理の支配人」がこのほど発刊された。発行はキクロス出版、発売は星雲社。A5判並製、336ページ。3200円(税別)。
 同書は、接客・接遇などの教育研修事業を行うNPO法人日本ホテルレストラン経営研究所の大谷晃理事長と、日本料理の素晴らしさを広めることを目的に結成された日本料理サービス研究会がまとめたもの。タイトル通り「日本料理の支配人」を主な対象とした内容だが、特に本の前半では、日本料理の基本、作法、接遇(サービス)について掘り下げて説明しており、飲食業サービスに携わる人なら必読の内容となっている。後半は、「支配人の役割」「メニュー戦略と予算管理」「おもてなしの現場」「本当の顧客管理」「食品衛生と安全管理」「お身体の不自由なお客様への対応」と、飲食店経営における実践的な項目が網羅されている。
 陶磁器・食器に関係する内容も多く、第1章「日本料理の基本」の中で、盛り付け、食器の楽しみ、器の選び方とルール、季節を楽しむ器、代表的な陶磁器、箸の種類などについて説明するほか、第2章「日本料理と飲み物」では「日本酒と器」「お茶の淹れ方のコツ」などが取り上げられている。本書を読んで、飲食店サービスの文脈から陶磁器・食器を捉え直すと、これまでとはまた違う新たな視点やヒントが得られるかもしれない。