これからの「クラフト」を考える展覧会「NIPPONの47 2025 CRAFT」

 47都道府県をテーマとする渋谷ヒカリエ8階のミュージアム「d47 MUSEUM」で11月29日~2025年3月16日、「NIPPONの47 2025 CRAFT 47の意志にみられるこれからのクラフト」が開催されている。

 ディアンドデパートメント(東京都、以下ディ)は、13年に「NIPPONの47人2013クラフト」を催し、19年にはサンパウロ、ロサンゼルスで巡回展となった。10余年が経った現在、「クラフトビール」や「クラフトプレス」に見られる「クラフト」の使われ方の変化に着目。キュレーターの黒江美穂氏は「対象をプロダクトやカテゴリーに限らず、そこに携わる人々の『意志』や『姿勢』をも表している。時代や暮らしの変化を受け止めながら進化し続け、自身の表現を探求している『意志』あるものづくりを紹介する」と述べる。

 同展の選定基準は、意志、革新、良心、ゆらぎ、地続きの5つ。陶芸からは茨城・近藤佳、栃木・久保田由美、岐阜・生嶋花、岡山・森本仁、山口・渋谷英一、香川・松下龍平・松原恵美、佐賀・中里健太、鹿児島・城戸雄介(敬称略)の8組。初日の内覧会に参加した一人、笠間の陶芸家近藤(Keicondo)氏は、昨年秋に1棟貸のキッチン付宿泊施設を開設、ここで自身の食器を使ってもらう。「笠間にもっと人を呼びたくて。1泊すればより笠間を知ってもらえるから。シェフを招いてのBBQでは、キッチン設備がほしかったので、笠間を感じながら、陶器と触れ合える場所を作った」と言う。このほかガラス、木工、漆器、鋳金といった従来のクラフトだけでなく、花火製造、いぐさのアクセサリー、わら細工、破棄茶葉を使った茶染め、デザイン事務所などが出展している。
 入場料はドネーション形式、詳細はwebやSNSを参照。