「能登半島 作り手支援マーケット」が3月8~10日、東京のギャラリー・神楽坂フラスコの2階「土脈」で開催された。「能登半島地震で被災した縁のある作り手達に直接支援を届けたい。手持ちの資金はなくても、知恵と工夫で気持ちを集めることはできるはず」と、YAMASAKI DESIGN WORKSを主宰する山崎宏氏の声に、東京・中目黒の器店SML、岡山・くらしのギャラリー、手の長いおじさんプロジェクト、クラフトバイヤー日野明子氏が賛同し作り手支援マーケット実行委員を結成した。山崎氏は都内百貨店で10年以上続くクラフト・工芸・デザイン催事の企画メンバーでもある。
試作品や展示品、使用に問題ないロス品、旧仕様のデッドストックなどを全国の作り手から無償提供で募った。陶芸家や窯元など、陶芸関係は15人。硝子、木工、漆器、織物、染色、革、金属、日用品、食品などの作り手総勢70人が、山崎氏の声に応えた。
小雨の初日には神楽坂の路地に約30分待ちの行列、3日間で9割の商品が売れた。会期中の売り上げに加え、小代瑞穂窯の事前チャリティマーケット、西日本豪雨災害で開催された「手伝市」有志からの支援金や、会場での支援金などを含め450万円以上を集め、能登半島の縁ある作り手18件に送金した。
商品提供者や販売にあたった実行委員は「出展関係者も来場者も『支援したい』という気持ちだけ。能登のことを思ったら不謹慎なのだけど楽しい」と言い、山崎氏は「大事にしたのは、持ち寄りだけで持ち出さない。平たく言うと無理をしないこと。会場も品物もスタッフも全部無償提供。返品送料と振込手数料以外は全額支援。お客はいいモノを得に買え、その金額がそのまま支援になる。受け取る支援先の人を恐縮させず、誰でもでき、続けられる仕組みにしておきたかった」と話した。