異業種3問屋の共催 飲食イベント「江戸の心粋」

協賛の老舗店や料理研究家の関係者ら30人が集まった

 東京・台東区内の異業種3社による飲食イベント「江戸の心粋×イタリアン」が9月15日、浅草かっぱ橋の「釜浅商店」で開催された。木本硝子(木本誠一社長)、はし藤本店(上中康成社長)、釜浅商店(熊澤大介社長)の共催、6月にメディアに向けて披露したばかりの釜浅の4階イベントスペースを会場とした。

 1908年創業の釜浅商店、10年のはし藤本店、31年の木本硝子と、調理道具、箸、ガラスの老舗問屋の旦那衆が手を組み、飲食体験を通じて、道具を体感してもらう試み「江戸の心粋」として、今回スタート。「さすらいの料理人」とも呼ばれる出張料理人・岸本恵理子氏によるイタリア料理5皿と、日本酒4種、グラス5種、箸4種のトリプリングスタイル。日本酒は都内東村山市で醸造販売する豊島屋本店、江戸野菜の葱善、山本海苔店、和菓子の栄太僂総本店など江戸・明治期創業の老舗店も協賛し、メディア関係者、料理研究家など30人を集めた。

 乾杯は「爽」で瓶内発酵した「綾」を、次いで他のグラスで同酒を飲み比べた。1皿目の「翡翠茄子(ひすいなす)の黒みつビネガーソース、早生黒枝豆・甘長唐辛子・プラム添え」では、グラス「雅」で「江戸酒王子」を、箸は「先細竹削箸 帯巻」、ナスを食べやすく割くことができる、といった趣向。はし藤は樽作りの際に出るスギやヒノキの端材を、花街・吉原に売りに出たのが始まり。しかし現在国産材の利用はわずか3%、ほとんどが輸入材料を使っていること、さらに豊島屋社長や、葱善社長の興味深い話に対しても質問などが相次ぎ、大いに盛り上がった。

 3社は今後も「江戸の心粋」を通じて、五感に訴求する道具の体験を進めていく。