原料の半分以上が卵の殻の食器 福井クラフト

次世代バイオマス食器「シェルミン」

 4月から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、さまざまな分野で脱プラスチックの動きが加速している。食器部門においても、プラスチックに代わる素材の開発に取り組む企業が注目を集めている。

 業務用漆器を展開する福井クラフト(鯖江市、高野浩社長)は5月下旬より卵の殻を再生した食器「Shellmine(シェルミン)」シリーズを発売する。主成分の51%を卵の殻が、7%を補強材に含まれる植物由来のパルプが占めるシェルミンは、バイオマス55認証を取得した。プラスチックではないため、一般廃棄物として処理することが可能だ。もちろん、卵アレルギーが発生する心配はなく、すでにアレルギーがある人も安心して使用することができる。耐久性、安全性に優れていることから、すでに大手外食やホテルチェーンなどで採用されているという。

 年間で排出される卵の殻は約25万トン。通常、産業廃棄物として焼却処理される卵の殻を再利用することで、脱プラスチックおよびCO2削減にもつながる。商材の特徴としては陶器のような質感、程よい重みがあり、高級感のある印象を与える。さまざまな形状やデザインに対応可能で、第一弾として長皿や汁椀、麺鉢など幅広い和食器を販売。今後は洋食や中華に対応した食器も企画している。

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